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寝たきり状態の子どものため、「床が完全にフラットなバリアフリー住宅」を頼んだのに、なぜ玄関に上がり框(かまち)があるのか──。そんな発端で始まった建築訴訟で、住宅会社側が1審敗訴した。(日経アーキテクチュア)

構造上の欠陥ではなくバリアフリー性が全面的に争われた、全国的にも珍しい欠陥住宅訴訟で、1審判決が下った。住宅会社側は玄関に一般的な住宅のような上がり框を設けた図面を交付し、建て主もこの図面を承認していたが、上棟式で実物を見るまで理解できていなかった
構造上の欠陥ではなくバリアフリー性が全面的に争われた、全国的にも珍しい欠陥住宅訴訟で、1審判決が下った。住宅会社側は玄関に一般的な住宅のような上がり框を設けた図面を交付し、建て主もこの図面を承認していたが、上棟式で実物を見るまで理解できていなかった
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 今回取り上げるのは、建て主が特にバリアフリー性を重視して建築を依頼した注文住宅を巡るトラブルだ。

 概要を説明しよう。原告は神奈川県で新築注文住宅を計画した夫妻だ。重度の障害を持つ子どものため、「車椅子を利用して生活できるバリアフリー住宅」を特に要望していた。

 子どもは身体が大きく、移動には長さ160cm、幅60cmという大型の車椅子が必要だった。通路は車椅子の転回を考慮した幅とし、出入り口は緩やかなスロープとする必要があった。数センチメートルの段差でも、車椅子が乗り上げた衝撃で子どもがせき込む場合があり、建物の床面は完全にフラットにする必要もあった。