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事業中止に追い込まれ、多額の負債を抱えた再開発組合が、損害賠償を求めて自治体を訴えた裁判。1審の徳島地方裁判所は約6億6000万円の請求額に対し、6割弱の約3億6000万円を認めた。(日経アーキテクチュア)

2016年の徳島市長選挙により、「再開発の白紙撤回」を公約とした新市長が就任。すでに進んでいた再開発事業がストップした問題で、再開発組合への損害賠償を巡る1審判決が下った。市の違法性を問う行政訴訟はすでに組合側敗訴が確定しており、自治体の事業撤退に伴う補償範囲が争われた
2016年の徳島市長選挙により、「再開発の白紙撤回」を公約とした新市長が就任。すでに進んでいた再開発事業がストップした問題で、再開発組合への損害賠償を巡る1審判決が下った。市の違法性を問う行政訴訟はすでに組合側敗訴が確定しており、自治体の事業撤退に伴う補償範囲が争われた
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 今回取り上げる判決は、徳島市が進めていた第一種市街地再開発事業、「新町西地区再開発事業」を巡る損害賠償請求事件の1審判決だ。

 問題となった計画は徳島市によって都市計画決定され、再開発組合の設立認可が成され、適切に進行していた。だが途上で「再開発の白紙撤回」を掲げた新市長が当選。市は保留床の買い取りを拒否、さらに権利変換計画を不認可とした。

 再開発組合は市の不認可処分には違法性があるとして行政訴訟を提起したが、「権利変換計画の不認可は首長の裁量で決められる」とする判決が最高裁判所で確定した。この一連の行政訴訟については、筆者が日経アーキテクチュア2019年5月9日号で解説したところだ。今回はその第2幕となる。