ニュース講座
目次
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工事を中断すべきか、続行すべきか
建設現場をこのまま動かし続けてよいか、悩ましい判断を迫られている読者は多いだろう。匠総合法律事務所の秋野卓生弁護士の寄稿として、コロナ禍による法的な事業リスク要素を整理した。
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防犯カメラは「プライバシー侵害」
マンション現場へ設置した建設会社に損害賠償命令
近隣住民のマンション反対運動が続く中、建設会社が工事現場の仮囲いに10台の防犯カメラを設置した。周辺住民がプライバシー侵害に当たるとして訴え出た裁判で、裁判所は建設会社に慰謝料支払いを命じた。(日経アーキテクチュア)
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積算ミスの損害賠償で「覚書」
「クニマス未来館」訴訟、設計者に和解金の支払い命じる
公共建築物の新築事業を巡り、設計者が自治体に訴えられ、判決で実施設計料の2倍に相当する額の支払いを命じられた。課題として浮かび上がったのは、設計図書納品後の設計者の対応だ。(日経アーキテクチュア)
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花見客が庭園通路で転倒・骨折
自然生かしたランドスケープ設計の注意点とは
桜の花の季節ににぎわう観光庭園で、来場者が転倒して骨折した。所有者が訴えられた裁判で、裁判所は「自然地形を生かした庭園にも工作物責任はある」と判示した。ランドスケープ設計の注意点とは。(日経アーキテクチュア)
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ポスト五輪も人手不足は続く 建築コストはさらに上昇か
2020年2月期
2020年の東京五輪後、高止まりしている建築コストはどうなるのか。サトウファシリティーズコンサルタンツは、働き方改革などの影響で人手不足が深刻化し、建築コストがさらに上昇すると予測する。
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重説前に発注者都合の計画中止
「建築士法違反でも契約は成立」、設計料請求認める判決
設計料の支払いを拒否した発注者を設計者側が訴えた裁判で、珍しい判決が下った。業務着手前に建築士法に基づく重要事項説明(重説)を行わなかったとしても、報酬自体は請求できるという。(日経アーキテクチュア)
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違法な擁壁で売買代金相当の賠償命令
宅造法許可なく増し積み、説明義務違反を認定
傾斜地では擁壁トラブルが絶えず起こっている。分譲住宅の引き渡し後、宅地造成等規制法(宅造法)違反を指摘され、事業者が売買代金相当の損害賠償を命じられた裁判例を紹介する。
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酔った宿泊客がベランダから転落
工作物責任巡る訴訟、手すりの安全性が争点に
施設利用者の転落事故を巡る訴訟は数多い。利用者の危険行動をどこまで想定すべきかは設計上の悩ましい課題だ。ベランダから落ちて骨折した宿泊客が施設運営者を訴えた事案から、その一線を探る。
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建設会社の好業績は東京五輪後も続くのか?
2019年11月期
中国経済の減速や景気の先行き不透明感が影響し、民間設備投資が減少している。好況を享受する建設会社だが、2020年の東京五輪後はさらに受注環境が悪化し、大手と準大手・中堅の差が広がりそうだ。(日経アーキテクチュア)
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木造戸建てでも「杭が必要」
軟弱地盤での不同沈下で住宅供給者の責任認める
同じ造成地に立つ複数の戸建て分譲住宅が不同沈下し、集団訴訟に発展した。売り主の不動産会社は「近隣工事の影響だ」と主張したが、裁判所は基礎選定に問題があったとして慰謝料を含む高額賠償を命じた。
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緑化率不足を告げず契約取り消し
消費者契約法の解釈に異説、名古屋高裁
分譲住宅売買を巡り、消費者契約法に基づいて買い主側からの契約取り消しを認めた、異例の判決が下った。問題となった事象は緑化率不足という条例違反で、容易に是正可能なものだった。
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再開発の駐車場計画の違法性を指摘
自治体の補助金支出認めるも「このまま進めば条例違反」
札幌市の再開発計画を巡る住民訴訟で、中核となる建築計画に駐車施設の付置義務に反すると指摘する判決が下った。法令違反を内包した再開発計画には、自治体による補助金支出が認められない可能性がある。
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消えた「駆け込み需要」消費増税後の市場は下り坂
2019年10月に予定されている消費増税。税率を8%から10%に引き上げる。過去には増税前に「駆け込み需要」が発生するのが常だったが、今回はほとんど顕在化していない。なぜ駆け込み需要は消えたのか。
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勝手な仕様変更で異例の高額賠償
補修費相当約3000万円の賠償命令、監理者も連帯責任
設計の指定より安価な仕様で建物が完成したトラブルで、監理者と施工者に連帯して撤去・補修費を含む損害賠償を命じる判決が下った。過去の裁判では本来の仕様との差額返還が主で、今回の判決は異例だ。
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模倣デザインの建物が使用禁止に
「コメダ珈琲店」巡る紛争が意匠法の改正へ発展
2019年5月、国会で改正意匠法が成立した。建築デザインについてもビジネスにおけるブランドイメージの一環として保護するものだ。改正のきっかけとなった紛争から、建築設計への影響を考察する。
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施工者を追い出した発注者に賠償命令
「残工事の粗利益を補償せよ」と東京地裁
不満を募らせた発注者が現場から施工者を追い出し、工事中断に発展した。お互いに「相手の責任だ」と主張して訴え合った訴訟で、裁判所は施工者に逸失利益の請求を認めた。トラブル清算のポイントは何か。
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好況で不調・不落が続出
「総価契約」一辺倒を見直せ
発注者が施工者の選定に苦慮している。旺盛な建設需要を背景に、建設会社が選別受注を強化しているからだ。空前の「売り手市場」で工事を引き受けてもらうための打開策が、入札・契約方式の見直しだ。
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再開発計画の白紙撤回は合法
市長の裁量権認めた判決、最高裁で確定
着工寸前だった再開発事業を新市長が白紙撤回した。自治体が認可し、推進していた計画の中止は許されるか。再開発組合が市を訴えた裁判で、組合の敗訴が確定した。権利変換の権限を巡る初の判例と見られる。(日経アーキテクチュア)
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管理組合理事長には「原告適格なし」
外壁タイルが剥落、瑕疵担保請求権を巡り異例の判決
多くのマンション訴訟で、原告席には管理組合の理事長が座ってきた。この「原告適格」を否定した異例の判決が下り、弁護士の間で話題となっている。今後、紛争解決の妨げとなる恐れもある。
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「風営法」より厳しい立地規制も合憲
風俗案内所を規制する条例を巡り最高裁が判断
「風俗営業」の規制は地域により大きく異なり、建築関連規定だけ気にしていては事業が前に進まないこともある。厳しい条例を巡って最高裁判所まで争われた裁判から、建築関係者にとっての教訓を探る。