石垣市新庁舎(沖縄県石垣市)
空港跡地に赤瓦の山並み
伝統を再構成、台風に耐える「集いの場」に 発注:石垣市 設計:隈研吾建築都市設計事務所・洲鎌設計室JV 施工:大成建設・大米建設・黒島組JV
全3574文字
旧石垣空港の跡地に赤瓦の新市庁舎が完成、2021年11月から供用を開始した。耐風性とメンテナンス性を考慮し、瓦のふき方や施設の構成を工夫した。
石垣市新庁舎を、駐車場のある西側から見る。地上3階建ての各層に赤瓦の屋根が折り重なる。エントランスの手前には、琉球石灰岩を積んたヒンプン。現代性を取り入れつつも、石垣らしさを感じる分かりやすいデザインだ(写真:吉田 誠)
[画像のクリックで拡大表示]
「何もない場所だからこそ、誰もが『石垣らしい』と思える風景が必要だと考えた」。石垣市新庁舎を設計した隈研吾氏(隈研吾建築都市設計事務所、東京都港区)はそう語る。
敷地は同市真栄里(まえざと)の旧石垣空港跡地だ。旧空港は、内陸のため滑走路が短く、オーバーラン事故が発生するなど、危険性が指摘されていた。騒音問題もあり、島の東側の白保地区への移転が決定。2013年に新空港が開港した。