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東京・京橋で、低層部に美術館を持つオフィスタワーが完成した。隣の戸田建設本社ビルも建て替えが進み、街区を再編して広場などを充実させる。「100年後も通用する建物」を目指し、先進的な技術の導入に挑んだ。
美術館を持つオフィスビルとして親しまれていたブリヂストンビルが建て替えられ、「ミュージアムタワー京橋」が完成した。高さは約150mで、一直線に伸びるルーバーのファサードが目を引く〔写真1〕。2019年7月に竣工し、20年1月に低層部の「アーティゾン美術館」(旧ブリヂストン美術館)が開業した。
建て替えを検討し始めたのは08年。1951年に竣工した旧ビルの老朽化が進み、南に隣接する戸田建設の本社ビルも更新時期を迎えていた。2015年、ブリヂストン関連会社の永坂産業(東京都中央区)と戸田建設が共同で、都市再生特別地区の都市計画を東京都に提案した。
永坂産業でプロジェクトマネジメントなどを担当した野崎公平建築本部長は、「美術館機能を生かし、ソフト面を中心とした地域・社会貢献を目指した」と語る。ミュージアムタワー京橋では、特区の適用で容積率を500%上積みしている。