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香川県直島町のベネッセアートサイト直島内に、安藤忠雄氏設計の「ヴァレーギャラリー」が開館した。直島に安藤建築の第1号が完成してから30年目。若き日に見た「光」をテーマにした建築だ。

敷地は谷地で、西に向かって三角形に開く。設計者の安藤忠雄氏は、このヴァレーギャラリーを「山中の祠(ほこら)のようなスペース」と表現する。安藤建築で勾配屋根は珍しいが、「周辺環境から自然に出てきた形だ」という。直島を含む瀬戸内海の島々を舞台とする「瀬戸内国際芸術祭2022」が2022年4月14日に開幕。この施設はそれに先立つ3月12日に開館した(写真:生田 将人)
敷地は谷地で、西に向かって三角形に開く。設計者の安藤忠雄氏は、このヴァレーギャラリーを「山中の祠(ほこら)のようなスペース」と表現する。安藤建築で勾配屋根は珍しいが、「周辺環境から自然に出てきた形だ」という。直島を含む瀬戸内海の島々を舞台とする「瀬戸内国際芸術祭2022」が2022年4月14日に開幕。この施設はそれに先立つ3月12日に開館した(写真:生田 将人)
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配置図
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 「原点に立ち返るために、光をテーマにした」。2022年3月、香川県・直島に開館した「ヴァレーギャラリー」について、設計者の安藤忠雄氏はそう語る。「原点」というのは、安藤氏が若き日に見たローマのパンテオンを指している。

 海外では1万m2を超える美術館を手掛ける安藤氏だが、この施設は平屋建てで、延べ面積は100m2を切る。しかも、屋根や壁の一部にスリットがあり、内部は雨ざらしだ。