ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋(大阪市)
風をはらむ“帆”を外装に
水都・大阪の歴史から海に浮かぶ帆船を着想 発注:ルイ・ヴィトン ファサードデザイン:青木淳建築計画事務所 設計・施工:大成建設
全2046文字
高級ブティックが立ち並ぶ大阪・御堂筋に、国内最大級の広さを誇るルイ・ヴィトンの店舗が誕生した。海に浮かぶ帆船の帆を思わせる外装のデザインは、海上交通都市、大阪の歴史から着想を得た。
ルイ・ヴィトンの新店舗「ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋」。高級ブランドの路面店が軒を連ねる心斎橋に立つ。1階ショーウインドーのディスプレーは写真家、Kenta Cobayashiの作品。大阪が放つ色彩のパワーを波のように表現した(写真:© Louis Vuitton / Stéphane Muratet)
[画像のクリックで拡大表示]
大阪市の中心部を南北に貫くメインストリート、御堂筋沿いに2月1日、「ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋」がオープンした。地上7階建ての建物は、ルイ・ヴィトンの店舗として国内最大級の広さを誇る。
乳白色の曲面ガラスが目を引く外装は、青木淳建築計画事務所(東京都港区)の青木淳主宰がデザイン。同氏は、東京・表参道(2002年)、米ニューヨーク(04年)、東京・松屋銀座(00年、13年)など、国内外のルイ・ヴィトン ストアを手掛けている。
同氏が今回、着目したのは海上交通都市としての大阪の歴史だ。「江戸時代に大阪と江戸の物流の要とされた貨物船「菱垣廻船(ひがきかいせん)」をイメージした」(同氏)。四角く平らな立面のビルが多い御堂筋で、風をはらむ白い帆のようなファサードはひときわ異彩を放つ〔写真1〕。
〔写真1〕帆は建物から45cm以上離す
江戸時代の帆船をイメージしたファサード。帆は大・小10丹ある。帆と建物本体はメンテナンスのために、最低45cmの間隔を設けている。建物本体の設計は大成建設(写真:© Louis Vuitton / Stéphane Muratet)
[画像のクリックで拡大表示]