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外と内でがらりと印象が変わるライフスタイル型ホテルが、大阪の御堂筋沿いでオープンした。コロナ禍により観光需要が冷え込む中での船出となった。宿泊に限らずイベントなど様々な使い方で「デスティネーションホテル」となることを目指す。

 江戸時代の大阪商人は贅(ぜい)を内に隠し、黒い表地に絢爛(けんらん)な裏地を付けた羽織をまとったという──。2021年3月16日、ホテル「W Osaka(ダブリューオオサカ)」が大阪市の御堂筋沿いで開業した。建物の外観は彫刻のようにブラックガラスがそそり立ち、ロビーは一転してアップテンポの音楽がかかるカラフルな空間が広がる〔写真12〕。そのコンセプトは大阪商人の羽織に着想を得た。

〔写真1〕道頓堀のネオンをイメージした内装
〔写真1〕道頓堀のネオンをイメージした内装
3月16日にオープンした「W Osaka」の3階ロビー「LIVING ROOM」。インテリアはオランダのConcrete Architectural Associates(コンクリート・アーキテクチュラル・アソシエイト)が手掛けた。ロビーは道頓堀のネオンをイメージした内装で、白い照明にカラフルな家具が映える(写真:生田 将人)
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〔写真2〕ファサードに切り込みのアクセント
〔写真2〕ファサードに切り込みのアクセント
「大阪の中心地でインパクトのある建物をつくりたかった」と、デザイン監修をした安藤忠雄氏。ガラスファサードの東面と南面にそれぞれ4つの細長い凹凸を設けた。「高規格ホテル」の導入などにより容積率緩和を受けた(写真:生田 将人)
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 デザイン監修を手掛けた安藤忠雄氏はセレモニーで、「パンチのある建物になった。外と内がアンバランスなぐらい全く違う印象を与える、大阪らしいホテルだ」と語った〔写真3〕。

〔写真3〕話題性の高さで予約相次ぐ
〔写真3〕話題性の高さで予約相次ぐ
3月16日にホテル1階西側にある車寄せで開かれたオープニングセレモニー。コロナ禍でも、話題性の高さから予約は多く入っているという。写真左から3番目が安藤氏(写真:日経アーキテクチュア)
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 Wは、マリオット・インターナショナルが展開するラグジュアリー・ライフスタイル・ホテルだ。1998年、米国ニューヨークの第1号店に始まり、現在は世界中で50以上のWホテルを構える。街の多様な文化や活気を引き込んだエネルギッシュなホテルづくりが特徴で、静かに泊まる形のラグジュアリーホテルと差別化してきた。

 W Osakaにおいても人々の交流を促すためにロビーやプール、中庭など充実した共用部が求められた。