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ホームから海までの一体感

 「地平駅の良さを最大限に生かした駅舎ができた」。そう話すのは、デザイン監修者として設計に関わったアトリエ・ワン(東京都新宿区)の塚本由晴氏。JR西日本から打診を受け、新駅舎のデザインを監修した。

 地平駅とは、プラットホームと改札がともに地上にある駅の形式。列車を降りたホームから、街に出られる。駅舎機能がホームの上階にある橋上駅より、街と直結した印象が強い。尾道駅は、多くの観光客が降り立つ下りホームに改札がある。

 塚本氏が着目したのは、駅の南にある、尾道水道と呼ばれる海とのつながりだ。「地平駅らしく、プラットホームから駅前広場、尾道水道まで一体感のある駅舎の在り方を提案した」と塚本氏は話す〔写真1~3〕。渡船や大型船が行き交う尾道水道を見渡す場として、駅のコンコースから階段を上がった2階に眺望デッキも提案した〔写真4~6〕。

〔写真1〕改札を出ると潮の香り
〔写真1〕改札を出ると潮の香り
改札を出たコンコースは、トップライトのある吹き抜けの空間。頭上に眺望デッキのブリッジが架かる。駅前広場の向こうに船の行き交う尾道水道があり、潮の香りが漂う(写真:生田 将人)
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〔写真2〕裏手の山になじむ緑色で統一
〔写真2〕裏手の山になじむ緑色で統一
尾道駅は、地上のプラットホームに改札がある地平駅。壁のタイルや塗装に用いた緑色は、裏手の山につながる色として選んだもの(写真:生田 将人)
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〔写真3〕山の稜線と調和する屋根勾配
〔写真3〕山の稜線と調和する屋根勾配
大屋根は3段に分けた構成。上の屋根ほど勾配を緩くして、裏手に迫る山の稜線や瓦屋根の民家となじませている。2階は、夜間以外は誰でも入ることのできる眺望デッキ(写真:生田 将人)
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〔写真4〕海を望むデッキを開放
〔写真4〕海を望むデッキを開放
2階の南側は、駅前広場の向こうにある尾道水道と対岸の向島を一望する眺望デッキ。 ガラスの開口を入ると、ホステルのフロントやカフェがある(写真:生田 将人)
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〔写真5〕階段は地元のPRコーナー
〔写真5〕階段は地元のPRコーナー
2階に通じる階段の両側は、鋼材を組み合わせた棚状の壁。地元の商店街がPRに使っている。右手に待合スペースや尾道市の観光案内所がある(写真:生田 将人)
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〔写真6〕デッキと一体のコンコース
〔写真6〕デッキと一体のコンコース
眺望デッキの途中には、吹き抜けのコンコースを渡るブリッジが架かる。右手は2階のカフェ「喫茶NEO」(写真:生田 将人)
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