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勾配の異なる3段屋根

 断面図を見ると、この建物の2つの特徴が分かる。1つは、南向きの屋根を3段に分けた点だ。2階を覆う大屋根、眺望デッキの一部に架かる屋根、そして1階の深い軒だ〔写真9〕。上の屋根ほど勾配は緩い。「裏手の山や瓦屋根の家々と親和する屋根にしつつ、駅舎に近づくと、上の屋根は目に入らず、深い軒だけが見えるようにした」と塚本氏は説明する。

〔写真9〕尾道を感じさせる開口
〔写真9〕尾道を感じさせる開口
吹き抜けのコンコースから改札を見る。空や山が見えるトップライトとハイサイドライトを随所に設けることで、海と山に挟まれた尾道らしい風景を感じさせる(写真:生田 将人)
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 もう1つは、2階の一部をプラットホーム上に持ち出した点だ。「建物の前面はテナントにせず、誰でも利用できる眺望デッキとして開放したかった」(塚本氏)。デッキを設けると十分なテナント面積を確保できないため、線路の架線柱が立っていない箇所に2階の一部を持ち出した〔写真10〕。その部分にあるホステルの個室からは、駅を出入りする電車が間近に見える。

〔写真10〕プラットホーム上に張り出す2階
〔写真10〕プラットホーム上に張り出す2階
上りホームから線路越しに見た駅舎。プラットホーム上に張り出す2階部分は、2本の架線柱の間にあるスペースを利用したもの(写真:生田 将人)
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