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 駅長の声 

眺望デッキの開放を地元は歓迎

片岡 茂樹氏
片岡 茂樹氏
西日本旅客鉄道 尾道駅長(写真:松浦 隆幸)

 3月10日の新駅舎の開業式典は、雨にもかかわらず大勢の地元の人たちが来てくれた。その後も「いい駅ができたね」といった声をかけてもらっている。何が評価されているのかを私なりに考えてみることがあるが、その1つは2階の眺望デッキだろう。夜間以外は開放しており、店に入ったり、入場券を買ったりせずに自由に上がれることが喜ばれているのではないか。改札を出たコンコースの開放感も素晴らしい。コンコースから見える尾道らしい風景が、額縁に入った一幅の絵のように見える。

 駅の入り口にある駅名標は、旧駅舎で国鉄時代から使われたものを踏襲したオリジナルデザインとした。JR西日本のサインマニュアルにある書体ではなく、尾道駅だけのデザインだ。そのことに気付く地元の人もおり、褒めてくれたことがある〔写真11〕。

〔写真11〕国鉄時代からの駅名標を踏襲
〔写真11〕国鉄時代からの駅名標を踏襲
夜景。コンコースの入り口に掲げられた駅名標は、国鉄時代から旧駅舎で使われてきた書体をベースにしたオリジナルのデザイン(写真:生田 将人)
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駅自慢を観光客増につなげる

 新駅舎の開業以来、利用者は前年比1~2割は増えている。特に、春の花見シーズンは、桜の名所として知られる千光寺公園などを訪れる人が非常に多かった。10連休となったゴールデンウイーク期間中も、前年比3割増、4割増というにぎわいだった。

 私たちの望みは、駅のにぎわいが街の中へとつながっていくことにある。そのためには、地元の人たちと一緒に、常に駅をより良い場へと更新し続けていくことが大切だと考えている。その一環で今、2階に上がる階段の両側にある棚を地元商店街に無償で貸し出し、様々な形のPRに使ってもらっている。

 尾道駅はよく観光駅といわれるが、実際は地元の人たちの「普段使い」の駅だ。1日の乗降客数約1万2000人のうち通勤・通学が9割以上を占める。その意味でも、まずは地元の人たちにとって自慢の駅でありたい。そうした思いが駅を生かし、観光利用の増加にもつながる。そんな好循環をつくっていきたい。(談)