耐力壁方式で開放的な木造
この耐力壁は、3回の強度試験で約7倍の壁倍率を確認。設計では壁倍率5.5倍の耐力壁として用いた。建物は公共施設なので、通常の1.25倍の壁量を確保している。「空間の開放感を損なわず、それ自体が意匠にもなる耐力壁は、壁量の確保にとても有効だった。建物の裏側だけでは壁量を取り切れなかった」。そう話すのは、構造設計を担当した梓設計エンジニアリング部門構造部の宮本裕也主任だ。
小林市の英語表記を基に、この耐力壁は「KB-WALL」と名付けられた。汎用性が高いことから、稲山氏が代表理事を務める一般社団法人中大規模木造プレカット技術協会のホームページで、KB-WALLの試験成績書を近く公開し、普及を図る。