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2020年5月30日の「ごみゼロの日」にオープンした、ごみ分別回収所を中心とする複合施設だ。設計者は施設の趣旨に合わせて、構造材に丸太を無駄なく使う他、内外装では廃棄物の再利用に努めた。

左側の平屋がゼロ・ウェイスト棟で、町民が日常的に利用するごみステーションやリユースショップ、新たに設けたコミュニティーホールなどがある。右はゼロ・ウェイストの理念を宿泊体験できるホテル棟。上勝町は徳島市内から車で約1時間の山間に位置する。人口約1500人と、四国で一番小さな町だが、和食店の料理に彩りを添えるつまものの「葉っぱビジネス」の成功でも知られる(写真:生田 将人)
左側の平屋がゼロ・ウェイスト棟で、町民が日常的に利用するごみステーションやリユースショップ、新たに設けたコミュニティーホールなどがある。右はゼロ・ウェイストの理念を宿泊体験できるホテル棟。上勝町は徳島市内から車で約1時間の山間に位置する。人口約1500人と、四国で一番小さな町だが、和食店の料理に彩りを添えるつまものの「葉っぱビジネス」の成功でも知られる(写真:生田 将人)
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 徳島県上勝町は2003年、ごみゼロを目指し、自治体として日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を行った。生ごみは各家庭で堆肥化、他は徹底した分別回収により、ごみの再利用や再資源化に町を挙げて取り組む。国内外から注目を集め、年間1000人前後がこの関連で視察に訪れる。

 町は宣言時、すでにごみの34分別を行っていた。16年以降は45分別と、さらに細分化。町民は各家庭でごみを分別してごみステーションに運び、まだ使えるものは併設のリユースショップに持ち込む。こうした日常生活により、町全体ではリサイクル率80%を達成している。

 「上勝町ゼロ・ウェイストセンター」は、そのごみステーションを利用しやすく一新するだけではなく、町民の交流や憩いの場を加え、さらに、ゼロ・ウェイストの理念を広める拠点として整備された。設計を手掛けたのは、NAP建築設計事務所(東京都港区、中村拓志代表)だ。