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たなびく雲のような大屋根を架けた屋内型児童遊戯施設が、山形市にオープンした。設計者や運営者が一体となり、「インクルーシブ(包摂的)」にふさわしい建築を考え続けた。

西側上空からの全景。雲を浮かべたような屋根は、蔵王連峰をはじめ周囲の山並みに呼応することを意図している。2つの屋根の膨らみは、左が体育館、右が遊戯場のもの。手前のスロープの下はカフェで、その前庭は「ゆめのひろば」。北側にもスロープを生かした遊び場をつくっている。南東側には車椅子のまま乗れるブランコなどを置く(写真:浅田 美浩)
西側上空からの全景。雲を浮かべたような屋根は、蔵王連峰をはじめ周囲の山並みに呼応することを意図している。2つの屋根の膨らみは、左が体育館、右が遊戯場のもの。手前のスロープの下はカフェで、その前庭は「ゆめのひろば」。北側にもスロープを生かした遊び場をつくっている。南東側には車椅子のまま乗れるブランコなどを置く(写真:浅田 美浩)
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 たなびく雲を思わせる曲線状の屋根が建物に架かる。うねる軒はエントランス付近で大きく張り出し、子どもたちを迎え入れる。その傍らから、建物の外周に沿って延びる帯状のスロープは、カフェを収めるために設けたものだ。スロープがつくる丘やこれに囲まれる窪地(くぼち)状の広場は子どもたちの屋外の遊び場でもある。北側にも帯状のスロープがあり、やはり遊び場と一体になっている〔写真12〕。

〔写真1〕ダイナミックにうねる軒
〔写真1〕ダイナミックにうねる軒
エントランスから障害者用駐車場にかけて、軒が大きく張り出す。軒先はスギの幕板を曲線に沿わせている。スロープの下にはカフェが入っている。カフェだけの利用も可能だ(写真:浅田 美浩)
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〔写真2〕全体を1つのランドスケープとして計画
〔写真2〕全体を1つのランドスケープとして計画
白い部分が屋根で、下側に膨らんでいる部分は体育館、左上に膨らんでいる部分は遊戯場。建物と屋外の遊び場、さらに駐車場まで1つのランドスケープとして計画した(写真:浅田 美浩)
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 児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」は4月18日、山形市南部にオープンした。「インクルーシブ(包摂的)」をコンセプトに掲げる全国でも珍しい施設だ。PFI(民間資金を活用した社会資本整備)事業のBTO(建設・移管・運営)方式を導入して建てられた。

 事業者はシェルター(山形市)を代表企業とする特別目的会社(SPC)の「夢の公園」だ。設計はその構成員である大西麻貴+百田有希/o+h(東京都中央区)が手掛けた。

 施設内には体育館と大型遊戯場を中心に、図工コーナーや視聴覚コーナーなどの諸室のほか、保護者向けに子育て相談室や赤ちゃん休憩室、カフェもある。