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村野藤吾の代表作「佳水園」が、ホテルの大改修プロジェクトの一環でリニューアルした。外観は竣工当時の姿で保存再生。客室は大きく変わったが、随所に村野への敬意がうかがえる。

佳水園の西側2階にあった広間を改修した客室「東山1」。南館の減築により、窓からは西館屋上の庭園越しに京都市街を望めるようになった。この眺望を生かすため、リビングの床は瓦風タイルの四半敷きとし、外部テラスの雰囲気を演出した(写真:生田 将人)
佳水園の西側2階にあった広間を改修した客室「東山1」。南館の減築により、窓からは西館屋上の庭園越しに京都市街を望めるようになった。この眺望を生かすため、リビングの床は瓦風タイルの四半敷きとし、外部テラスの雰囲気を演出した(写真:生田 将人)
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 京都・東山に連なる華頂山の麓に立つ「ウェスティン都ホテル京都」は、2020年に創業130年を迎えた。これに合わせ、ラグジュアリーホテルとして時代にふさわしいしつらえを付加することや旧耐震建物の耐震補強を目的に、18年6月より大規模改修を開始。21年4月、天然温泉を利用したスパ施設のオープンをもってグランドリニューアルを遂げた。設計と施工は元施工者の大林組が手掛けた。

 このプロジェクトの一環で、建築家・村野藤吾の代表作の1つである数寄屋風別館「佳水園」も改修し、20年7月にリニューアルオープンした。「同じ外観に建て替えることも検討したが、村野藤吾が設計し、建設された当時の建築物を残していくことに価値があるという結論に至り、改修した」。ホテルを所有する近鉄不動産アセット事業本部賃貸事業部部長の森本幸治氏はこう述べる。