全4503文字
PR

移転を機に、教育理念も一新した大学。山本理顕氏は設計前の基本構想から携わり、4年間学長も務めた。敷地の真下に地下鉄駅があるという制約のなかで、地域社会に開かれた門形校舎を構えた。

名古屋市で完成した名古屋造形大学の新キャンパス。1階中央に通したアートストリートの幅は南側40m、北側32m。そこに立つ複数の小さな建物を山本理顕氏は「見世(みせ)」と呼ぶ。見世は、各分野や教員の企画展示、産学連携の実績紹介、同窓生の展示・交流などに使われている(写真:車田 保)
名古屋市で完成した名古屋造形大学の新キャンパス。1階中央に通したアートストリートの幅は南側40m、北側32m。そこに立つ複数の小さな建物を山本理顕氏は「見世(みせ)」と呼ぶ。見世は、各分野や教員の企画展示、産学連携の実績紹介、同窓生の展示・交流などに使われている(写真:車田 保)
[画像のクリックで拡大表示]

 真っ白な格子状の壁の上に、最上階が外側に張り出して載る。名古屋造形大学の新校舎は、どこから見ても実に印象的な立ち姿だ。最上階は平面が1辺104mの正方形で、屋外テラスが四方を巡る〔写真1〕。

〔写真1〕格子壁の上にトラス構造の大空間
〔写真1〕格子壁の上にトラス構造の大空間
名城公園側、敷地南西から見た外観。地下鉄が南北に縦断し、校舎はその真上に立つ。最上階はトラス構造で外周は104m四方、高さは8m。テラスの跳ね出しも8m。信号機の隣に写るのが、地下鉄駅の出入り口(写真:車田 保)
[画像のクリックで拡大表示]

 この建物は北面と南面で、巨大なゲートの下に小さな都市が現れたような顔も見せる。格子壁が大きく開き、吹き抜けの「アートストリート」が貫通。ここには大小さまざまな15の部屋が点在し、最上階が大屋根となって全体を覆う〔写真2〕。

〔写真2〕大屋根の下に小さな都市のように
〔写真2〕大屋根の下に小さな都市のように
見世の屋上テラスは学生たちの憩いの場。地下鉄が真下を走るので見世は直接基礎とした。アートストリートに光を落とす吹き抜けは、上下の視線のつながりも生む(写真:車田 保)
[画像のクリックで拡大表示]

 新校舎は名古屋市の名城公園の東側に立つ。山本理顕設計工場(横浜市)が設計を手掛け、2022年3月に竣工した。