サウジアラビアの首都、リビアにザハ・ハディド氏の設計で完成した研究センターが話題を呼んでいる。複雑な幾何学模様のファサードは、「結晶体」を表現したものだ。GRCパネルで覆った。3次元(3D)モデルで検証し、卓越風を取り込みやすい構造とするなど、意匠と機能を両立した。

ザハ・ハディド氏が設計を手掛けたキング・アブダラ石油調査・研究センター(KAPSARC)。エネルギーの利活用や環境負荷の低減に向けた研究に取り組んでいる(写真:Hufton+Crow)
ザハ・ハディド氏が設計を手掛けたキング・アブダラ石油調査・研究センター(KAPSARC)。エネルギーの利活用や環境負荷の低減に向けた研究に取り組んでいる(写真:Hufton+Crow)
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 ザハ・ハディド氏が2016年に急死した後も、世界各国で同氏が設計した大型プロジェクトの完成が相次ぐ。サウジアラビアの首都、リヤドに誕生したこの研究施設もその1つ。サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコが発注し、アラップの構造設計によって完成した「キング・アブダラ石油調査・研究センター(KAPSARC(カプサルク))」だ〔写真1〕。17年9月に竣工した。

〔写真1〕砂漠に現れる結晶体をイメージ
〔写真1〕砂漠に現れる結晶体をイメージ
北西方向から見下ろしたKAPSARC。壁や天井は、平行な平面をほとんど持たない複雑な形状で、GRCパネルで覆って「結晶体」を表現した(写真:Hufton+Crow)
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 壁や天井に平行な平面をほとんど持たない近未来的なフォルムは「砂漠から現れたエネルギーの結晶体」をイメージしたものだ。主要施設であり、長さ200mを超えるリサーチセンターをはじめ、イスラム教徒のための祈祷(きとう)室「ムサラ(Musalla)」や、最大で750人を収容できる多目的ホールを備えたカンファレンスセンターなどの5棟で構成する。