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研修室やホール、共用部といった各空間が、街のようにひとつながりとなった研修施設が完成した。「森の会所」をコンセプトに、各所での研修活動が他者にも見聞きできるようにして交流を促す。

東京、大阪、奈良の3カ所にあった大和ハウス工業の研修施設を、創業の地である奈良に集約する形で建設した。地上4階建ての建物の下2層が研修ゾーン、上2層が宿泊ゾーン。低層部の外装仕上げには、発掘調査で採れた現地の土を用いた。施設には「コトクリエ」の愛称が付けられている(写真:生田 将人)
東京、大阪、奈良の3カ所にあった大和ハウス工業の研修施設を、創業の地である奈良に集約する形で建設した。地上4階建ての建物の下2層が研修ゾーン、上2層が宿泊ゾーン。低層部の外装仕上げには、発掘調査で採れた現地の土を用いた。施設には「コトクリエ」の愛称が付けられている(写真:生田 将人)
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 奈良市で2021年10月1日、大和ハウス工業の大型研修施設「大和ハウスグループ みらい価値共創センター」がグランドオープンを迎えた。奈良県出身で、同社を創業した石橋信夫氏の生誕100周年に当たる21年の竣工に向けて進めてきたプロジェクトだ。約4万9000人の社員を擁する大和ハウスグループ全体で、創業の精神を継承しつつ、これからの時代にふさわしい人材育成を目指す研修施設だ。

 敷地は、同社の奈良工場などがある広大な用地の一角。南北に細長い建物は鉄骨造の地上4階建てで、延べ面積は約1万7000m2ある。上下層で対照的な仕上げの外観は、そのまま内部の機能の違いを表す。土色の腰壁がおおらかにうねりながら続く低層部に入るのは、ホールや研修室といった研修機能。一方、ガラスと金属板に覆われた3、4階は、研修時の宿泊ゾーンだ〔写真1〕。

〔写真1〕緑地を設けて地域に開く
〔写真1〕緑地を設けて地域に開く
南東から見た全景。塀やゲートを設けず、道路沿いに植栽を施して緑豊な開かれた施設とした。敷地の南北には、庭を整備して散策路として開放している(写真:生田 将人)
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 建物の基本計画とデザイン監修は小堀哲夫建築設計事務所(東京都文京区)が担当。設計・施工は、発注者である大和ハウス工業と、グループ会社のフジタが手掛けた。