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公共貢献で容積緩和と道路上空利用

新本館の床面積は、建て替え前より約2万m2増え、1.4倍になった。これを可能にしたのは、都市再生特別地区を利用した法規制の緩和だ。

 新本館は建て替えによって地上8階から11階に、床面積は約4万6000m2から約6万6000m2に増えた。既存の北館との間の大宝寺通りの上空も利用し、2021年には2階から10階まで、全フロアを北館と接続する計画だ〔写真9〕。

〔写真9〕道路をまたいで北館とつなぐ
〔写真9〕道路をまたいで北館とつなぐ
2階以上は新本館(写真右)から北側に約12m跳ね出し、道路上の空間も店舗に使う。道路上の外装は、ニュートラルなガラスのスクリーンとした(写真:生田 将人)
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 この計画は、北館部分にかかっていた都市再生特別地区を本館敷地まで拡大することで可能になった。14年7月から大阪市と協議を始め、公共貢献の提案によって15年10月に都市計画決定を受けた。

 公共貢献の主な内容は、歴史的外壁の保存に加え、地下鉄心斎橋駅と連絡する地下通路のバリアフリー化や公共駐輪場の設置、歩道の美化だ〔写真1011〕。9階に外国人観光者向けのサービスセンターを設け、7階テラスと屋上の一部を緑化した。

〔写真10〕地下に公共駐輪場
〔写真10〕地下に公共駐輪場
地下に1日20時間営業の公共駐輪場を設けた。写真は清水通り側1階にある入り口(写真:生田 将人)
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〔写真11〕トンネル状の道路空間をライトアップする計画
〔写真11〕トンネル状の道路空間をライトアップする計画
心斎橋筋側外観。本館隅部を地下鉄心斎橋駅の出口に充て、エスカレーターを設置。大宝寺通り側にエレベーターも設けた。大宝寺通り面は一部壁面緑化しライトアップする予定(写真:生田 将人)
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 これにより、容積率の緩和を受け、道路の上空利用が可能になった。また、心斎橋筋側の道路斜線が撤廃され、各階の床面積を最大化できた。日建設計の岡田ダイレクターは「百貨店にとっては階を高く積むより、フロアの広さが重要だ」と語った。