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県産木材だけでつくった2階建ての大規模庁舎が完成した。部材調達や構造形式などで無理のないシンプルな架構を目指した建物は、3.6m間隔で方杖(ほうづえ)方式の組み柱が並ぶ開放的な大空間だ。

深い軒を支える樹形の組み柱が3.6m間隔で並ぶ東向きの正面外観。建物は木造2階建て。組み柱は、垂直の柱と4本の方杖で構成したもの。来庁者の目に留まる外観に木の架構を現して、木造庁舎であることを伝えている(写真:浅田 美浩)
深い軒を支える樹形の組み柱が3.6m間隔で並ぶ東向きの正面外観。建物は木造2階建て。組み柱は、垂直の柱と4本の方杖で構成したもの。来庁者の目に留まる外観に木の架構を現して、木造庁舎であることを伝えている(写真:浅田 美浩)
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 9月20日、茨城県北西端に位置する大子町(だいごまち)の新しい庁舎が開庁した。構造材の全てを茨城県産木材でまかなった純木造の2階建て、延べ面積5000m2余りの建物だ。

 全国で公共施設などの木造化が広がりを見せる今でも、2階建て以上の大規模な純木造は数少ない。県産材の需要拡大に取り組む茨城県の働きかけを受けて、純木造で建てることになった。構造に使った県産材は約900m3。そのうち約6割は、豊かな森林資源を持ち、林業の盛んな大子町産だ。

 行政棟を挟んで議会ホール棟と倉庫棟の3棟が並ぶ正面外観には、深い軒を支える木の方杖が一定間隔で連なる〔写真1〕。ガラスの開口部を透かして、建物内に林立する現しの木の架構も見える。構造体の木材が現しなのは、燃えしろ設計を用いた準耐火建築物としたためだ。

〔写真1〕3棟に分けた準耐火建築物
〔写真1〕3棟に分けた準耐火建築物
駐車場に面した約110mにわたって3棟の建物が並ぶ。写真左から、倉庫棟、行政棟、議会ホール棟。合計の延べ面積は約5075m2、最大の行政棟は2999.64m2。建物は準耐火建築物。行政棟と議会ホール棟をつなぐ渡り廊下だけは2時間耐火建築物(写真:浅田 美浩)
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2階平面図
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1階平面図
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断面図
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