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福岡市の中心市街地、天神に頭1つ抜きんでた大規模オフィスビルが誕生した。建物の角2カ所を削るデザインには、都市のにぎわいを内部に引き込む狙いが込められている。

天神1丁目交差点から見た低層部。カーテンウオールは明治通りに面する北側(写真左手)が出窓型、西側と東側はL形庇付きとした。福岡市では初の大規模免震構造を採用。建築基準法レベルの1.5倍の耐震性能を有する(写真:Tomoyuki Kusunose)
天神1丁目交差点から見た低層部。カーテンウオールは明治通りに面する北側(写真左手)が出窓型、西側と東側はL形庇付きとした。福岡市では初の大規模免震構造を採用。建築基準法レベルの1.5倍の耐震性能を有する(写真:Tomoyuki Kusunose)
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 天神の街を走る明治通り沿いには、階段状の屋上を大規模緑化した「アクロス福岡」や黒川紀章が手掛けた「福岡銀行本店ビル」などが立ち並ぶ。2021年9月末、その通りに面して新たな顔が加わった。高さ約89mのオフィスビル「天神ビジネスセンター」だ〔写真1〕。

〔写真1〕天神ビッグバンの規制緩和を生かした第1号
〔写真1〕天神ビッグバンの規制緩和を生かした第1号
北西側の全景。建物の最高高さは約89m、容積率は約1400%だ。因幡町通りを挟んで向かいの敷地(写真右下)では「福ビル街区建て替えプロジェクト」が進む。最高高さは約97mになる予定だ(写真:Tomoyuki Kusunose)
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 福岡市地下鉄空港線「天神駅」に直結しており、福岡空港から屋外に出ることなく、わずか15分で到着する。地下鉄天神駅の東改札を出て目の前に見える13番出入り口から、建物の地下2階にアクセスする。ここには100m2の広場とテナント区画があり、22年春に飲食ゾーン「天神イナチカ」が開業予定だ。エスカレーターを上ると、エントランスアトリウムやオフィスロビーが現れる〔写真24〕。

〔写真2〕照明で浮かび上がるエントランスアトリウム
〔写真2〕照明で浮かび上がるエントランスアトリウム
インテリアデザインはキュリオシティ(東京都渋谷区)が手掛けた。左に見える青いガラスボックスは2階のオフィスロビー。手前に見えるエスカレーターを下りると、地下鉄天神駅13番出入り口につながる(写真:Tomoyuki Kusunose)
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〔写真3〕2階にオフィスロビー
〔写真3〕2階にオフィスロビー
奥に見えるセキュリティーゲートにはエレベーター先行予報システムを導入した。セキュリティーゲートにカードをかざすと最適なエレベーターへと誘導してくれる(写真:Tomoyuki Kusunose)
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〔写真4〕地下鉄天神駅に直結
〔写真4〕地下鉄天神駅に直結
エントランスアトリウムに直結した地下鉄天神駅13番出入り口。建物の外観に似たデザインが特徴だ(写真:日経アーキテクチュア)
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 天神ビジネスセンターは、福岡市が進める再開発促進事業「天神ビッグバン」の規制緩和を活用した第1号ビルだ。この敷地では、高さ制限が約67mから約86~約90mに、容積率が800%から1400%に緩和され、それを最大限生かした(日経アーキテクチュア21年11月11日号ニュースクローズアップ 「天神ビッグバン」第1号が完成 を参照)。