全4496文字

岩手県陸前高田市に、東日本大震災の犠牲者を追悼し、復興のシンボルとなる公園と施設がオープンした。全体の配置計画で設定した「祈りの軸」と「復興の軸」という2つの軸線に、復興の願いが込められている。

2019年9月22日にオープンした高田松原津波復興祈念公園の国営追悼・祈念施設。長さ160mの建物の中央部分をゲート状に大きく開いている。プレストレストコンクリートの梁で23mのスパンを飛ばした(写真:吉田 誠)
2019年9月22日にオープンした高田松原津波復興祈念公園の国営追悼・祈念施設。長さ160mの建物の中央部分をゲート状に大きく開いている。プレストレストコンクリートの梁で23mのスパンを飛ばした(写真:吉田 誠)
[画像のクリックで拡大表示]

 岩手県陸前高田市に2019年9月22日、「高田松原津波復興祈念公園」がオープンした。訪れる人たちの多くが、駐車場に面した建物を抜けて真っすぐに延びる園路を進んでいく。行き着くのは、新たに整備された高さ12.5mの防潮堤に設けられた「海を望む場」だ。リアス式に深く入り込んだ広田湾を一望するこの場所で、海に向かって手を合わせる人の姿も見られる〔写真1〕。

〔写真1〕防潮堤の上に「海を望む場」
〔写真1〕防潮堤の上に「海を望む場」
海沿いに新設された防潮堤にある「海を望む場」からは広田湾を一望できる。中央に見えるのは献花台(写真:吉田 誠)
[画像のクリックで拡大表示]

 「広田湾に向かう“祈りの軸”を引き、それと直交する“復興の軸”を設定した。この公園の計画は、2本の軸をつくったことがすべてと言える。施設については、それが成り立つような建築の在り方を考えた」。そう話すのは、建築を含む公園の設計を手掛けた内藤廣建築設計事務所(東京都千代田区)代表の内藤廣氏だ。プレック研究所と組んだ設計JV(共同企業体)で設計を担当した。