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全長14m超のLVL(単板積層材)の耐力壁が、2層にわたって室内外を斜めに貫く住宅だ。単板の積層面を意匠として生かしている。木造在来工法と組み合わせた躯体(くたい)とするなど、LVLの新しい使い方を模索した。

 地下1階・地上2階建てのこの家は、設計を手掛けたKMKa(東京都豊島区)共同代表の松下希和氏が自邸を建て替えたものだ。夫と娘、犬1匹と暮らす。

 外からは、片持ちで突き出た2階部分や、東西で互い違いに傾斜する屋根が目に留まる。室内は、それ以上に驚きに満ちている。2層吹き抜けの空間が広がり、LVL現しの巨大な壁が斜めに縦断する〔写真1~2〕。

〔写真1〕LVL現しの壁が室内を斜めに縦断
〔写真1〕LVL現しの壁が室内を斜めに縦断
キッチンからダイニングを見通す。LVL(単板積層材)の積層面を現しにした壁は、突き板とは違った経年変化を楽しめる。無塗装で仕上げた(写真:安川 千秋)
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〔写真2〕外から中に続くLVL壁
〔写真2〕外から中に続くLVL壁
南側の前面道路から見る。外部に立つLVL壁の表面には、LVLの仕上げ材を張って耐候性を高めた。LVL壁を境に、東西の屋根は互い違いの勾配をつけている。西側は北向きに、東側は南向きに、それぞれ8 度下がる(写真:安川 千秋)
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 LVL壁は東側の外壁に対し、8度振って配置した。壁の角度は、南側の道路面から1mほど上がった高さにある庭を西側から押さえる、既存の擁壁の角度に合わせた。

 庭には毎年たくさんの実をつけるレモンの木がある。擁壁を家の中まで延ばすように室内に壁を立てることで、レモンの木がある庭と建物を一体化することを狙った。

左、地下1階平面図。中、配置・1階平面図。右、2階平面図。
左、地下1階平面図。中、配置・1階平面図。右、2階平面図。
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