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土壁を乾式で実現した。グリーン・ブリックと呼ぶ未焼成レンガを用いたものだ。軽くてセルフビルドでも施工でき、土に戻すことも可能だ。設計者と土の研究者の協働で生まれた自然素材による構法だ。

 横浜市の高台に立つ「あざみ野の土」は、土をテーマとした住宅だ。ダイニングの内壁は、土を固めたパネルを乾式で仕上げている。床は独特の風合いのある土間だ。冬は床暖房で暖かく、夏はひんやりとして心地よいという〔写真1~3〕。いずれも、この住宅のために開発した仕上げ材だ。実現には、建て主夫妻の娘で、土や左官を使った建築を研究している早稲田大学の山田宮土理准教授が関わっている。

〔写真1〕未焼成レンガで壁を仕上げたダイニング
〔写真1〕未焼成レンガで壁を仕上げたダイニング
ゆがみが生じる未焼成レンガの特徴を生かして、凹凸のある質感を表現。NC加工機でつくった木製の棚は、縦目地に入れたフックと共に移動可能。床の三和土(たたき)はアマニ油で土を固めたもので、「床暖房の蓄熱効果を感じた」と建て主は語る(写真:安川 千秋)
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〔写真2〕トップライトから光が入る2階のリビング・ライブラリー
〔写真2〕トップライトから光が入る2階のリビング・ライブラリー
天井高さ3600mmのゆったりとしたリビング・ライブラリー。トップライトからの光が1階のダイニングやセカンドリビングを明るく照らす(写真:安川 千秋)
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〔写真3〕吹き抜けを介して一体的につながるスキップフロア
〔写真3〕吹き抜けを介して一体的につながるスキップフロア
階段の下にある1階のセカンドリビングから上階まで、階段が居室をらせん状につなぐ。リビングと水回りを上下階にそれぞれ設けることで、将来的に2世帯住宅としての利用も可能(写真:安川 千秋)
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