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世界遺産に登録された「百舌鳥(もず)・古市古墳群」の約半数がある大阪府堺市に立つ木造住宅だ。前方後円墳をモチーフとして卵のような部屋をつくり、この部分に高い耐震性を持たせることで矩形部分の開放感を高めた。

配置図
配置図
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 建物北側の卵形の部分にはほとんど窓がなく、外界を遮断するかのようだが、土塗り仕上げの壁が柔らかな表情を見せる。これに接続する切妻屋根の部分は、打って変わって開放的だ〔写真12〕。

〔写真1〕卵形の建物と切妻屋根の建物が一体に
〔写真1〕卵形の建物と切妻屋根の建物が一体に
卵部分の表面に浮かぶ線状の段は、1日でここまで土塗りを行ったという跡。以前は道路沿いに塀があったが、芦澤竜一氏の提案で撤去。塀に使われていた大谷石は敷石に再利用した(写真:生田将人)
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〔写真2〕開放的な生活の場をバッファー空間が囲む
〔写真2〕開放的な生活の場をバッファー空間が囲む
建て主は「窓や障子の開け閉めによって、快適さも雰囲気も全く変わる」と現在の暮らしを楽しむ。写真手前の居間と東西の土間は3つとも床の左官仕上げが異なる。西側の土間は玄関を兼ね、これに接する食堂と居間の床下に靴の収納スペースがある(写真:生田将人)
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 滋賀県立大学教授の芦澤竜一氏が主宰する芦澤竜一建築設計事務所(大阪市北区)が設計した。夫婦と小学生の娘が暮らす。前方後円墳をモチーフとするプランを受け入れた建て主は、「『なんや、これ』と驚く声が外から聞こえるたびに、しめしめと思う」と笑顔で話す。

 前方後円墳は後円部が埋葬の場で、前方部は祭壇の場とされる。芦澤氏はその構成から発想を膨らませ、通常であれば各部屋に生活の諸機能が与えられる住宅に、あえて機能のない「無の間」をつくった。それが卵形の空間だ。

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