トピックス
目次
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自宅療養室のつくり方
コロナ対策と住宅換気、「陰圧管理」がカギに
政府の緊急事態宣言が3月21日までで全面解除されたが、新型コロナウイルスへの警戒は続く。感染者が自宅療養する場合、家庭内感染を防ぐにはどうすればよいか。日本建築学会のWGがまとめた対応方法を紹介する。
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「軍艦島」崩壊へのカウントダウン
日本最古のRC造アパートで進む崩落
崩壊が進む世界文化遺産・軍艦島。襲来する台風と加速する老朽化に、どのように立ち向かえばいいのか。軍艦島の保存に携わってきた筆者が島の現状を報告するとともに、遺構を未来へ引き継ぐための保存の在り方について述べる。
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名古屋のシンボル 公園とテレビ塔が大変身
国内最大Park-PFI、商業との融合を探る
名古屋の象徴といえる久屋大通公園の改修事業が完了し、9月にオープンした。求められたのは、歴史性や公園の機能を維持しつつ、にぎわいを生む場。公募設置管理制度(Park-PFI)活用では国内最大であり、今後の公園活用の試金石となる。名古屋テレビ塔も免震化して一部をホテルに転用。新たな一歩を踏み出した。
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超高層の建設現場で「全域Wi-Fi」
単管パイプや分電盤で無線LANを構築
建設現場での無線LAN構築に注目が集まっている。スマートフォンやタブレットがWi-Fiにつながらないと、Webも図面も見にくくて不便だからだ。単管パイプや分電盤を用いて無線LANを構築した、驚きの現場に迫る。
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富岡製糸場 「使える国宝」に
見せるガラス箱を入れて耐震補強
世界遺産の一部である富岡製糸場で、国宝「西置繭所」の保存修理が完了した。1階内部にガラス箱のようなハウス・イン・ハウスを導入。明治初期の「木骨レンガ造」をそのままに、耐震性を向上させてギャラリーやホールなどの利用空間を確保した。
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高気密住宅が浸水で浮く
建物の共通点はベタ基礎と基礎断熱
2019年10月の台風19号で深刻な浸水災害に見舞われた長野市内では、木造住宅が基礎ごと浮く被害が複数確認された。共通点は、高気密で基礎断熱を採用していたことだ。建築構造の専門家が解析した浮力の発生メカニズムと、浮き上がりを防ぐ提案を伝える。
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旧小学校を一流ホテルに再生
天井高生かし京都市内の伝統校を転用
京都市は、中心部の小学校の跡地で、民間事業者による有効利用を進めている。その先陣となるホテルが2件オープンした。いずれも既存校舎は地域のシンボルだ。貴重な近代建築をホテルの特徴や魅力に生かしている。
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ここまで来た! 建設デジタル革命
設計・施工・維持管理の最新現場を追う
建設プロセスのあらゆる場面でデジタル革命が起こっており、「知らない」では済まされなくなった。最近よく耳にするのが、「デジタルツイン」「点群」「MR(複合現実)」の3つのキーワードである。建築分野に浸透しつつある最先端のデジタル活用を、現場の写真と画像を多数盛り込んで紹介する。
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建築の創造性を解き放つ金属3Dプリンター
竹中工務店がオランダのスタートアップ企業とタッグ
竹中工務店が金属3Dプリンターを建築プロジェクトに適用しようと、研究開発を進めている。デジタルとリアルをじかに結ぶ新技術によって、建築デザインの可能性を、施工の制約から解き放つ試みだ。
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シモキタらしさ回復 個性ある“商店街”に
店主が育てる商業建築「BONUS TRACK」
家賃の高い東京の人気エリアに接する場所で、こだわりのある個人テナントのチャレンジを実現させる──。小田急電鉄が4月1日、全5棟・14店舗から成る商店街「BONUS TRACK(ボーナストラック)」を開業した。
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微生物で増殖する新材料
米国生まれの疑似コンクリートに熱視線
コンクリートのような強度を持つ構造材料が、自ら増殖する。まるで生物のような新材料が、米コロラド大学の研究室で産声を上げた。まだ実験段階ではあるものの、建築材料の可能性を大きく広げそうだ。
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「蔦屋書店」が意匠登録出願
改正意匠法の施行で店舗模倣は防げるか
「蔦屋書店」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブが4月1日、奈良市の新規店舗など3件の意匠登録を出願したことが日経アーキテクチュアの取材で判明した。同社は国の知財保護政策を活用、模倣防止とブランド強化を図る。
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防火・避難設計に“新常識”
規定の見直しで木質化や既存活用促す
防火・避難関係規定を大幅に見直した改正建築基準法施行令と、それにひも付く告示が4月1日に施行された。設計時の選択肢が格段に増える。防災計画などに携わる実務者の見方を交えつつ、ポイントを解説する。
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“屋根”の広場で街を一変
象徴性や演出力で中心地に人を呼び戻す
中心市街地の活性化に向け、広場や公園を整備してにぎわいを生む事例が目立っている。可動式のガラス大屋根、照明を組み込んだ大きなリング、木の葉形のパーゴラ──。シンボル性を持つ“屋根”を中心に据え、人が集う場をつくることがポイントとなる。野外でクラシックコンサートを開けるといった付加価値も重要だ。
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「農」を支える新たな建築
集客要素加えて持続的産業を目指す
持続的な有機農業の場を、「食」の要素を持つ体験型の公開施設とする。数々のヒット曲を生んだ音楽プロデューサー・小林武史氏の思いを具現化するため、新「農場」のマスタープランづくりから建築家が協働した。
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「健康オフィス」市場を狙え
働き方改革を機に異業種も参入
働き方改革の一環として「健康」に注目が集まっている。社員の健康に配慮したオフィスが増えていくことを見据えて、建設関連の企業は準備を始める。飲料や生活用品など異業種の大手メーカーも新事業の提案に積極的だ。
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危険エリアの新規開発にノー
都市計画法改正で街づくりが防災重視に転換
国土交通省は激甚化する自然災害を踏まえて、都市計画法や都市再生特別措置法を改正する。開発許可制度の厳格化など、建設・不動産分野への影響は少なくない。改正案の内容を詳しく見ていこう。
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デジタルで「民主的」建築
機械刻みの薄板継いで“家”を建設
家具や家を特別な職種がつくるものではなく、一般のユーザーに開く。「オープン化」を可能にするデジタルファブリケーション(製造)技術を、そこに用いる。若手世代の問題意識が、新しい建築のつくり方を生んだ。
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「代々木」耐震万全に
吊り屋根・天井の原形変えずに大規模改修
国立代々木競技場の第一体育館が改修工事を終え、11月1日に営業を再開した。1964年開催の東京五輪のシンボルは、“原形”を保ったまま耐震性やバリアフリー対応を強化し、2020年夏に2度目の五輪を迎える。
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谷口吉生、普遍性の先
“正道”が問い掛ける建築の課題と光
その空間は平滑な面とベーシックな素材で構成され、3次元曲面も新素材も使われていない。それでも、訪れた者の胸を深く、確実に刺激する。建築家の“正道”ともいえるその姿勢は、時代遅れなのか、変化が一巡して最先端なのか─。第三者の声を交えつつ、谷口吉生氏の本質を浮き彫りにする。