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家具や家を特別な職種がつくるものではなく、一般のユーザーに開く。「オープン化」を可能にするデジタルファブリケーション(製造)技術を、そこに用いる。若手世代の問題意識が、新しい建築のつくり方を生んだ。

 「建築の民主化」という言葉を掲げ、建築家、起業家として活動する秋吉浩気氏の率いるVUILD(ヴィルド)(川崎市)が、家具用に開発したデザインや生産の仕組みの発展形として、建築を完成させた。

 VUILDが設計し、富山県南砺市利賀村(とがむら)の山中に建設した「まれびとの家」〔写真12〕は、「家具から始めたキャリアの延長にある建築」と秋吉氏が位置づけるものだ。自主プロジェクトとして立ち上げ、資金調達にクラウドファンディングを利用。敷地の面で地元工務店の上田組(利賀村大勘場)、材料と機械の面で総合建設会社の長田組(南砺市大島)の協力を受けて進めた。

〔写真1〕気軽な多拠点生活を可能に
〔写真1〕気軽な多拠点生活を可能に
まれびとの家の内観。「まれに村を訪れる人を入れ替わりで受け入れる、シェアリング型の多拠点活動のための家」(秋吉氏)として計画。短期滞在型の別荘として運用する(写真:生田 将人)
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〔写真2〕建設にはクラウドファンディング利用
〔写真2〕建設にはクラウドファンディング利用
まれびとの家の外観。建物の所有権のシェアを前提に、クラウドファンディングで建築資金の支援を募集。1000万円余りを集めた。豪雪地帯のため、冬季は足元が雪で隠れる前提で設計している(写真:生田 将人)
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