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木材の生産から戸建て住宅の販売までを一気通貫で手掛ける戦略を掲げて注目を集めた、三菱地所グループの総合木材会社「MEC Industry(メックインダストリー)」。設立から2年がたち、事業の具体像が見えてきた。

 MEC Industry(鹿児島県霧島市)は2022年4月から、鹿児島、熊本、宮崎の3県で木造戸建て住宅事業を始める。木造の躯体(くたい)を効率的に製作し、規格型の平屋住宅を低価格で提供するのが特徴だ〔写真1〕。

〔写真1〕箱型ユニットで木造の躯体を構成
〔写真1〕箱型ユニットで木造の躯体を構成
住宅の躯体を構成する木造のユニット。壁は枠組み壁工法のパネル、床と天井はCLT(直交集成板)で構成する(写真:MEC Industry)
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 同社が販売するのは、20~30歳代のファミリー層などをターゲットとする延べ面積約100m2の平屋住宅と、シニア世代などをターゲットとする同約75m2の平屋住宅だ。耐震等級3相当を確保する〔写真2〕。

〔写真2〕天井のCLTは現しに
MEC Industryが販売する住宅の内観(写真:MEC Industry)
MEC Industryが販売する住宅の内観(写真:MEC Industry)
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MEC Industryが販売する延べ面積約75m<sup>2</sup>の住宅の外観イメージ(資料:MEC Industry)
MEC Industryが販売する延べ面積約75m2の住宅の外観イメージ(資料:MEC Industry)
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 延べ面積100m2の住宅の場合、付帯工事の費用などを除く建物の本体価格を1000万円程度(税別)に設定する予定。同75m2の住宅については価格を検討中だ。

 三菱地所関連事業推進室CLT WOOD PROMOTIONユニット副主事で、MEC Industry企画営業部部長付きの青木周大氏は、「格安戸建て住宅の相場よりも、価格をさらに1段階下げたい。そこにブルーオーシャン(未開拓の市場)があるとみている」と語る。