全3001文字
PR

国土交通省は激甚化する自然災害を踏まえて、都市計画法や都市再生特別措置法を改正する。開発許可制度の厳格化など、建設・不動産分野への影響は少なくない。改正案の内容を詳しく見ていこう。

 2018年の西日本豪雨や19年の台風19号による水害・土砂災害は、都市政策の不備をさらけ出した。例えば埼玉県内のある自治体では、開発・建築を抑制すべき市街化調整区域内の、しかも浸水想定区域で宅地開発を進めた結果、台風19号の大雨の影響で浸水する被害が出た。

 福島県須賀川市では台風19号で、居住誘導区域内の宅地に浸水被害が発生した〔写真1〕。居住誘導区域は、都市部に宅地を集約してコンパクトシティー化を図るため、自治体が立地適正化計画と呼ぶマスタープランで位置付ける。いわば、「今後も人を住まわせたいエリア」だ。

〔写真1〕居住誘導区域内で浸水被害が発生
〔写真1〕居住誘導区域内で浸水被害が発生
台風19号の大雨で浸水した福島県須賀川市。市は写真中央の丸で囲った辺りを居住誘導区域に設定していたが、浸水被害を受けた(写真:国土地理院)
[画像のクリックで拡大表示]

 須賀川市は19年6月に立地適正化計画を公表したばかりだったが、台風19号の被害や浸水想定区域の見直しに伴い、防災の観点から計画の再検討を余儀なくされている。

 こうした事態を踏まえて国土交通省は、都市計画法や都市再生特別措置法などを改正し、激甚化する自然災害に対応した街づくりを促す。政府は2月7日に改正案を閣議決定。今国会で成立する見通しだ。

 ポイントは「災害レッドゾーンなどの『災害ハザードエリア』における新規開発の抑制」、「災害ハザードエリアからの移転の促進」、「立地適正化計画と防災の連携強化」の3つ。以降では、同省が1月27日の「都市計画基本問題小委員会」で示した改正案の内容をひも解く。