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働き方改革の一環として「健康」に注目が集まっている。社員の健康に配慮したオフィスが増えていくことを見据えて、建設関連の企業は準備を始める。飲料や生活用品など異業種の大手メーカーも新事業の提案に積極的だ。
2019年7月のオープンから約半年で1300人以上の会員を集めた人気のシェアオフィスがJR東京駅前の丸の内二丁目ビルにある。
エントランスを入るとすぐの場所にソファ席や大きなテーブル席があり、窓際にはチェア席が並ぶ。緑がふんだんに配されており、カフェのようだ。
平日の昼下がりに記者がこのシェアオフィスを訪れると、利用者は思い思いの場所で働いていた。作業している男性の姿が見えなくなったと思えば、畳の敷いてある休憩用のスペースに寝そべっていた。立ち机の上にパソコンを置いて黙々と作業をしていた女性が、その後、すぐ隣のカフェスペースで打ち合わせを始めた。
利用者がリラックスできるよう、カフェスペースにビールサーバーが設置され、シェアオフィスの隅に仮眠室やシャワー室が設けられている。
このシェアオフィスの名前は、「point 0 marunouchi(ポイントゼロマルノウチ)」〔写真1〕。point0(東京都千代田区)が企画する。同社の石原隆広代表は、「利用者の気分がポジティブになる空間を目指している。楽しいから仕事の生産性が上がるし、健康にも過ごせる」と語る。クラインダイサムアーキテクツが内装デザインを手掛けた。