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避難❸ ❹
ストック活用

 今回の施行令や告示の改正・新設で、小規模建築物に関する避難規定も大幅に変わった。特に木造のストック活用を促すための緩和が目立つ。

 広く活用できそうなのが、特殊建築物などの内装制限の代替措置を示した施行令128条の5第7項の改正だ。内装制限を適用除外にできる対象が広がる〔図7〕。

〔図7〕内装制限の適用除外に新たな選択肢
〔図7〕内装制限の適用除外に新たな選択肢
特殊建築物などの内装制限に関する改正の概要。天井高さや間仕切り壁などの効果を考慮できるよう規定が見直された。告示で定めた基準は計4パターン。右側の図はそのうち、木造校舎をホテルなどに転用しやすくすることを想定して定めた追加の代替措置のイメージだ(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 国交省の渡辺企画専門官は、「改正前はスプリンクラーと排煙設備を設置する代替措置しかなく、設計上の制約になることもあったと聞いている。今後は、廃校になった木造校舎や古民家をホテルなどに転用する動きにも対応できるはずだ」と話す。

 無窓居室に関する規定も見直した。戸建て住宅にシアタールームや音楽練習室などを設置したいというニーズの高まりを受けたものだ。

 自動火災報知設備を設置したうえで、避難に支障が出ないよう基準を満たせば、無窓居室を区画する主要構造部は耐火構造としなくてよくなった〔図8〕。

〔図8〕耐火構造を求める無窓居室の範囲を緩和
〔図8〕耐火構造を求める無窓居室の範囲を緩和
無窓居室に関する規定の改正前と改正後。窓を設けない居室には一律で耐火構造を求めていたが、自動火災報知設備が設置してあり、床面積が一定以下であれば安全性が確保されているとし、耐火構造としなくてよくなった(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 その他、直通階段の設置基準や敷地内通路の幅員基準を緩和した。前者については、階段室の避難安全性を確保すれば、直通階段は1つでよくなった。3階建て以下で延べ面積200m2未満の児童福祉施設や寄宿舎などが対象で、戸建て住宅を特殊建築物に用途変更しやすくなる。

 後者については、3階建て以下で延べ面積200m2未満の小規模な建築物について、改正前は1.5m以上必要だった敷地内通路の幅員を「90cm以上」とした。間口の狭い旗ざお敷地などで、駐車スペースが確保しやすくなった。