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防火
新たな木造準耐火

(イラスト:宮沢 洋)
(イラスト:宮沢 洋)

 2019年6月施行の改正建基法で全面的に性能規定化された防火関係規定では、耐火建築物にしなくてはならない要件などを定めた21条1項(高さ制限)と27条1項(用途制限)のそれぞれに基づく改正告示が、20年2月26日に施行した〔図9〕。

〔図9〕耐火建築物にしなくてはならない要件に関する主な項目
〔図9〕耐火建築物にしなくてはならない要件に関する主な項目
2019年6月施行の改正建築基準法で、防火関係規定は全面的に性能規定化された。20年2月26日施行の告示で前提条件や主要構造部の性能を検証するための算定方法が示された。建基法61条のルートBは未制定(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 改正告示では新たに、「通常火災終了時間」と「特定避難時間」の算出方法が示された。各時間中、耐火性能を保持できれば、4階以上でも燃えしろ設計で木を現しにできる。

 竹中工務店木造・木質建築推進本部の小林道和副部長は、「都市部の中高層木造に関心を寄せる発注者は、確実に増えている。大臣認定を含めた検討によって、耐火集成木材を使うよりもコストを抑えられる可能性は十分にある」と話す。

消防活動が前提の性能設計

 注意点もある。消防活動を考慮した設計が求められる点だ。この新たな概念による準耐火構造「火災時倒壊防止構造」「避難時倒壊防止構造」とするには、詳細な前提条件を満たす必要がある。初期消火の重要性から、火災を小規模な区画にとどめるための措置も盛り込まれた〔図10〕。

〔図10〕告示仕様によらない準耐火構造を設計する際の前提条件
〔図10〕告示仕様によらない準耐火構造を設計する際の前提条件
性能規定化で新たに位置付けられた準耐火構造は、消防活動を前提としている点がこれまでと異なる。この前提条件を満たしたうえで、「通常火災終了時間」や「特定避難時間」を計算する(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 既に木現しの準耐火構造で、木造4階建ての共同住宅を実現しようという動きもある。徳島県新浜町にある県営住宅の建て替え事業だ。同県住宅課は、「木材利用の新たなモデルを示したい」と話す。