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防火・避難関係規定を大幅に見直した改正建築基準法施行令と、それにひも付く告示が4月1日に施行された。設計時の選択肢が格段に増える。防災計画などに携わる実務者の見方を交えつつ、ポイントを解説する。

防火・避難規定の見直しは、多岐にわたる。なかでも内装などの木質化や木造のストック活用を後押しする改正が目立つ。上は、大林組が設計・施工を手掛ける地上11階建ての純木造耐火建築物の完成イメージ。新設の判定法でも木質化が可能か検証した(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成、上のパースは大林組)
防火・避難規定の見直しは、多岐にわたる。なかでも内装などの木質化や木造のストック活用を後押しする改正が目立つ。上は、大林組が設計・施工を手掛ける地上11階建ての純木造耐火建築物の完成イメージ。新設の判定法でも木質化が可能か検証した(資料:国土交通省の資料を基に日経アーキテクチュアが作成、上のパースは大林組)
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 4月1日施行の改正建築基準法施行令では、区画の合理化や内装制限の適用除外、直通階段・排煙設備の設置基準の見直しなど、多岐にわたる変更点が盛り込まれた。

 なかでも注目されるのは、避難安全検証法の見直し。確認申請手続きによる「ルートB」を拡充し、建築計画の柔軟性を高める狙いだ。小規模建築物などのストック活用を促すため、内装制限適用除外の代替措置を追加。耐火構造を求める無窓居室の範囲も見直しが図られた。

 一連の改正は、防火・避難規定全般の性能規定化推進を目的に進められてきた「防火・避難規定等に関する総合技術開発プロジェクト」の成果を踏まえたものだ。改正によって使えなくなる現行要件はない。

 設計の自由度が高まる一方で、設計実務者の責任範囲は拡大する。防災計画などに携わる実務者は、「複数の選択肢を検証したうえで、最適とする提案の根拠を発注者に示し、理解を得る必要がある」「検証結果を蓄積していくための体制づくりも欠かせない」と、口をそろえる。

 次ページからは、改正施行令と告示のポイントを見ていこう。