「蔦屋書店」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブが4月1日、奈良市の新規店舗など3件の意匠登録を出願したことが日経アーキテクチュアの取材で判明した。同社は国の知財保護政策を活用、模倣防止とブランド強化を図る。
商業施設に入ってすぐ、天井まで届く本棚で取り囲んだ一角が目に留まった。このエリアの入り口には頭上にも本棚があり、書籍で埋め尽くしたような知的空間の演出となっている。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が「本の小部屋」と呼ぶ書籍販売エリアのデザインだ〔写真1〕。
4月4日に新規オープンした「奈良 蔦屋書店」は、CCCが店舗の企画・デザインを担い、提携企業のプレシード・パートナーズ(東京都目黒区)と関西TSUTAYA(大阪府吹田市)が運営する店舗だ。店舗面積は約3400m2。本の小部屋などで10万冊以上の書籍を陳列する。開業したばかりの「奈良県コンベンションセンター」にテナントとして入居した〔写真2〕。
CCCは今回、日経アーキテクチュアの取材に対し、この奈良の店舗について「改正意匠法の施行に合わせ、『内装の意匠登録』を特許庁へ出願した」(同社戦略法務ユニット長、デザイン法務ユニット長、蔦屋書店法務ユニット長、エンタテインメント法務ユニット長を兼任する中路星児氏)と明らかにした。出願内容でも中心となるのが、本の小部屋を中心とした内装デザインだ。
まだ世に知られていないデザインについて、いち早く意匠登録を出願することで模倣を防ぎ、ブランド力をより際立たせる狙いがある。