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街づくりの視点を加えて

 連載コラム「建築巡礼」がお気に入りだ。大御所の代表作や隠れた名作など、竣工から時間が経過し、味わいが増した建物を取り上げて、再評価しているところがいい。イラストのタッチも好きだ。建物の特徴をよく捉えているし、めりはりも利いている。

 実は私も、平成の時代が始まったころ、建築雑誌などを見て、街の個性を生かした公共建築を求めて、日本全国を行脚したことがあった。あれから30年が過ぎたいま、あの建物たちは設計者が意図したとおりに利用されているのか、街にとってどのような波及効果があったのか、気になっている。

 建築巡礼で公共建築を取り上げる際には、街づくりの観点からの評価もぜひ加えてほしい。

福田 雅仁
(設計事務所、55歳)