読者から/編集部から
目次
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次世代のため等級など整理を
建築関係の法令・制度は改正を重ねて、どんどん内容が増えていく。「我々の時代の法令集は、今の半分くらいの厚さだ」と笑い話をするくらい、その差は顕著だ。覚えなければならないことも増加している。次の世代のために、整理できるものは速やかに整理して、分かりやすくしないといけない。
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木造は材料調達の理解から
中大規模木造で、地元の製材をどう活用するか、どうCLT(直交集成板)の特性を引き出すか。年に一度の木造特集では、これまでこの2つを大きなテーマとしてきました。今回は、世界的な木材価格の高騰、「ウッドショック」も踏まえ、調達に焦点を当てました。東京の設計者が地方で大型木造を手掛ける機会が増えています…
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脱炭素にリユースの工夫を
昨今、SDGs(持続可能な開発目標)やサステナブルといった言葉が叫ばれている。建築では、鉄筋コンクリート造から木造へという流れが強くなってきた。脱炭素を目指して木造へという考えは理解できるが、変えるべき点は他にあるのではないか。
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テレワークで若手教育いかに
1年以上続くコロナ禍の中、私が勤める設計事務所でもテレワークの導入が進んでいる。コロナ禍が収束しても、出社する日数を減らす方向だ。通勤しなくていい分、時間に余裕ができ、数年前から進めている働き方改革にもつながった。
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依頼が増え続ける事務所の謎
「隈事務所のスタッフはめったに音を上げない」という声をいつしか発注者や構造設計者、施工者などからよく聞くようになりました。設立から30年以上がたち、なぜ隈事務所は仕事が途切れないのか。さらにいえば、国内外の膨大な案件をどう隈氏がチェックし、数百人のスタッフに隈氏の哲学をどう伝えるのか──。隈事務所…
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超高層住宅に迫る修繕問題
私が住む築30年の超高層マンションでは、2回目の大規模修繕を2020年に行い大問題に直面した。設計事務所などを間に入れて実施しようと考えたが、超高層マンションの大規模修繕に対するノウハウを持っているところがなく、安心して頼める会社がなかったのだ。費用が想定以上に大きく全ての補修はできなかったため、…
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熟練の経験をどう伝えるか
建築は経験工学であり、設計する人、施工する人の経験の積み重ねが、より良い建物につながっていると思う。私自身、若い頃は毎日、昼間は現場に出て、夜に現場事務所で施工図を書きながら、先輩方から様々なことを教わった。それらを通じて、細かい納まりにもこだわって検討することを身に付けられた。
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スポーツ施設にも持続性を
スポーツ施設を取材すると、公共建築である「運動場」や「体育館」に、自治体が限界を感じている様子が分かります。利用者が減ったり偏ったりで、不採算や不公平が意識されているということです。
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脱炭素の歩みを早めるべきだ
2020年、菅義偉首相が2050年までのカーボンニュートラル実現を政府目標に掲げたことで、住宅の「脱炭素」化をもっと進める必要が出てきた。しかし歩みは相変わらず遅い。
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画一的な規制の在り方に疑問
昨今は様々な規制や規則などが増えたからか、画一的な建物が増えている気がする。一つひとつの規則は必要だと思うが、もう少し地域性を考えた運用ができないものか。
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木造に似ている「アレ」
木造と似ているもの、何だと思いますか。私は「寿司」だと考えています。職人技は礼賛されつつも衰退の一途をたどり、一方で大手はAIなどを取り入れて進化を続けている。
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城の復元と活用に難しさ
熊本城の復旧に興味があった。2016年4月に発生した熊本地震を受け、熊本城は天守閣の瓦や石垣が落ち、悲惨な状態になってしまった。その後の復旧工事によって天守閣に制振ダンパーを設置。
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「PLATEAU」に期待大
国土交通省が主導する3D都市モデルプロジェクトの「PLATEAU(プラトー)」に期待している。PLATEAUは英語では高原を意味するが、フランス語では高原のみならず、盆、舞台やテレビのセットといった意味も持っている。
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VPPを活用した街づくりに注目
特集で紹介した「茅野金山デッキ」が取り組もうとしているバーチャルパワープラント(VPP)に注目しています。VPPは、地域に点在する太陽光発電や蓄電池といった小規模な発電設備を1つの仮想発電所のように機能させる仕組みです。自然災害などで電力供給が途絶えても、自分たちで発電した電気を互いに融通して共存…
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中小企業に負担の大きい政策
政府の最近の住宅政策は、建築会社や設計事務所に求めるものが多すぎる。中小工務店などには負担が大きく、全てに対応するのは難しい。
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地元材の利用進む妙案探る
岩手の林業が心配だ。私の住む花巻市では50年前に10件あった製材所が全て無くなってしまった。地元の木もわざわざ離れた場所に運ばないと材木にできない。輸送費などがかかることもあり、地元材で住宅を建てようとすると坪当たり100万円以上にもなってしまう。
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トラブルの記憶は完成後も残る
近年の大きなトラブルとして思い浮かぶのは、国立競技場でしょう。完成した今でも、ザハ案を巡り世間が騒いでいた頃を思い出します。
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設計入札の条件に疑問
公共建築の設計入札に参加できる案件が、会社や事務所の規模と実績によって決められていることに不満がある。
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設備もDXで新たな価値
設備管理においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)による変革期を迎えている。これまでは設備の点検、修理といった保全業務ばかりに焦点が当たっていたが、それだけでは顧客のニーズに応えられないと考えている。
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押印廃止に一抹の不安
建築確認申請の押印廃止について、一抹の不安を覚える。電子署名など押印に代わる仕組みや、改ざん防止対策などが十分に普及していないからだ。建築物は建て主の資産であり、私たち設計者はそれを守る責務がある。建て主の資産価値を担保できる環境の整備との両輪で進めてほしいものだ。