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外出自粛が呼び掛けられ、創作意欲も高まりにくい昨今。今号もブラジルからオスカー・ニーマイヤー設計の建築をリポートする。初期と晩年の2つの名作を訪ね、その創作姿勢から元気をもらおう。

 イビラプエラ公園の施設群は、もともとサンパウロ400年記念博覧会のためにオスカー・ニーマイヤーが設計したものだ。1952年にル・コルビュジエらとの共同設計により、国際連合本部ビル(米国)を完成させたニーマイヤーは、54年に開催されたその博覧会で、世界的建築家としての評価を確かなものとした。

※リオデジャネイロを訪れたのは2020年2月13日~17日(イラスト・文・写真:宮沢洋)
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(写真:宮沢洋)
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 点在する建築群とそれらをつなぐ大屋根は、博覧会後も残され、市民の憩いの場となった。ニーマイヤーはその2年後に新首都ブラジリアの設計を任されることになるが、この公園への評価の高さがあったからこそ、全権的な立場でブラジリアの設計を進めることができたのだろう。

 ブラジリア移転から4年後の1964年、ブラジルでは軍事クーデターが起こる。ニーマイヤーは活動を制限され、しばらく拠点を欧州に移す。しかし、70年代に入ると再びブラジルでも活動するようになり、前号で取り上げたブラジリア大聖堂(70年)、クビチェク大統領記念館(80年)などブラジリアの施設が数を増していく。

 88年にはプリツカー賞を受賞。そして91年、84歳のときにニテロイ現代美術館(リオデジャネイロ)の設計に取り掛かる。96年に完成したその建築は、大胆かつ繊細。衰えは全く感じさせない。いろいろな意味で“希望”を抱かせてくれる建築だ。

※リオデジャネイロを訪れたのは2020年2月13日~17日(イラスト・文・写真:宮沢洋)
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(写真:宮沢洋)
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連載再開のお知らせ

6月11日号から磯達雄(文・写真)、宮沢洋(イラスト)の建築巡礼コンビが戻ってきます。頻度を上げて、「隔号掲載」の予定。お楽しみに!