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設計=葉デザイン事務所 施工=橋本建設 構造=鉄筋コンクリート造、木造立体トラス 階数=地上2階 竣工=1988年(昭和63年) 所在地=熊本県小国町宮原214-2 交通=九州産交バス「小国中央」停留所から徒歩10分
設計=葉デザイン事務所 施工=橋本建設 構造=鉄筋コンクリート造、木造立体トラス 階数=地上2階 竣工=1988年(昭和63年) 所在地=熊本県小国町宮原214-2 交通=九州産交バス「小国中央」停留所から徒歩10分
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 熊本空港から北東の方角へ。雄大な阿蘇の景色を横目にしながら尾根道を車で走ると、1時間と少しで目的地に着く。

 小国は町域の約80%を山林が占めるという林業の町。特産の小国杉を使い、若者定住促進事業の1つとして、小国町民体育館が建てられた。公募により、決まった名前が「小国ドーム」だったが、屋根の形が亀の甲羅のようであることから「ビッグタートル」の愛称も付けられた。ちなみに同じ年に「東京ドーム」がオープンしていて、その愛称が「ビッグエッグ」。その影響を受けてのネーミングだったと推し量れる。

 設計したのは葉祥栄。全体がガラスで覆われたコーヒーショップインゴット(1977年)や、ステンレスパネルによるグリッドで空間をつくり上げた光格子の家(80年)など、斬新なデザインで注目された建築家だ。小国町に関わるようになったのは84年からで、国鉄・宮原線の廃線で使われなくなった肥後小国駅の跡地利用計画を依頼されてのことだった。これに応えて提案したのが小国町交通センター(現・道の駅小国ゆうステーション、87年)で、地元産のスギ材を使った木造建築を提案する。

 続いて小国町林業センターなどを同様に木造で設計するが、ここまではいずれも小規模な施設。対して次の小国ドームは延べ面積が3125m2もある。法規で定める木造建築の上限は3000m2。日本建築センターの評定を経て、大臣認定を得ることにより、これを超えて実現した日本で初めての建物となった。

(イラスト:宮沢 洋)
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