カタール東部のアル・ワクラで、故ザハ・ハディド氏の設計によるサッカースタジアム「アル・ジャノブ・スタジアム」がオープンした〔写真1〕。2022年に同国で開かれるサッカーワールドカップ(W杯)のグループリーグや準々決勝で使う。そのこけら落としで5月16日、アミール・カップの決勝戦が行われた〔写真2〕。
デザインのモチーフは、中東の伝統的な帆船であるダウ船だ。暑さの厳しい夏季も使えるように、開閉式屋根と空調を備えた。屋根のファサードの表面積は6万5000m2。
アル・ワクラは首都ドーハから20kmほど南下した場所にある街だ。20年までに開通予定の鉄道ドーハ・メトロが通る計画で、それが完成すれば首都へのアクセスも向上する。スタジアムは、拡大する街の中で期待の施設といえる。
発注者はW杯の組織委員会で、設計はザハ・ハディド・アーキテクツ、リードコンサルタントはエイコム(AECOM)が担当。開閉式屋根のデザインは、ドイツに本社を構えるシュライヒ・バーグマン・パートナーが手掛けた。