2017年度単体決算を対象にした日経アーキテクチュア恒例調査では設計事務所、建設会社とも堅調を維持しながらも、業績全体の伸びはやや鈍化。いずれも売上高では中位クラスの会社が元気で、用途別では「宿泊施設」の伸びが際立つ。“次”に向けた新たな動きの本格化も見て取れる。

特集
堅調維持しつつも伸びに“一服感”
「宿泊施設」の活況続き、採算重視の傾向に拍車
目次
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6割超が利益を伸ばす
設計事務所
営業・当期利益は6割超の会社が伸ばしたが、全体平均は前年度を下回った。けん引役の「宿泊施設」はツーリスト層の獲得を狙う顧客ニーズが強まっている。マネジメントやコンサルティングといった業務を強化する動きも活発だ。
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設計事務所 建物用途別トップ10(売上高)
2017年度決算
「宿泊施設」は、トップ10入りした設計事務所全てが前年度より売上高を伸ばした。反対に「教育・研究施設」「スポーツ施設」「医療施設」「生産施設」「倉庫・物流施設」は10位内の半数以上が減少した。
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五輪後にらむ挑戦が本格化
建設会社
建築売上高は堅調だが、建築受注高や完成工事総利益率には“一服感”。その一方、営業・当期利益は設計事務所に比べて好調ぶりが表れている。安定した経営環境を背景に、五輪後を狙う新事業分野への取り組みが活発だ。
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建設会社 建物用途別トップ10(売上高・受注高)
2017年度決算
設計事務所と同じく、「宿泊施設」はトップ10の全社が対前年度で売上高が増加し、受注高も減少は1社のみだった。受注高ではこれに加えて「生産施設」も対前年度で減少が1社のみだった。
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設計事務所2017年度決算ランキング
設計・監理業務売上高順
設計事務所2017年度決算ランキング(設計・監理業務売上高順)
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建設会社2017年度決算ランキング
建築売上高順
建設会社2017年度決算ランキング