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2011年3月11日、地震発生後に大津波が発生。沿岸部の都市や集落を襲った。高台移転やかさ上げなどを画一的に進めた復興計画に批判の声も多いなか、従前の地域性の維持とともに将来の発展を目指したのが岩手県釜石市だ。

 2011年3月11日午後2時46分。日本の観測史上最大のマグニチュード9.0、最大震度7の巨大地震が東日本を襲った。大津波は防潮堤を破壊し、沿岸の都市や集落に壊滅的な被害をもたらした。住宅約40万棟が全半壊、被災地はがれきで埋め尽くされた。死者・行方不明者は2万人を超えた〔写真1図1〕。

〔写真1〕津波被害で多くの集落が壊滅状態に
〔写真1〕津波被害で多くの集落が壊滅状態に
民家に迫る大型漁船。岩手県釜石市にて2011年3月25日撮影。津波によって陸に流された船が建物を破壊する被害が各地で見られた(写真:日経コンストラクション)
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阪神大震災
東日本大震災
1995年1月17日
午前5時46分
発生日時
2011年3月11日 午後2時46分
7.3 マグニチュード 9.0
直下型 地震型 海溝型
1県(兵庫) 震度6弱以上の県 8県
(宮城、福島、茨城、栃木、岩手、群馬、埼玉、千葉)
数十cmの津波が発生したとの報告あり。被害なし 津波 各地で大津波を観測
最大波は相馬9.3m以上、
宮古8.5m以上、大船渡8.0m以上
建築物の被害。長田区を中心に大規模火災が発生 被害の特徴
大津波により沿岸部で甚大な
被害が発生。多数の地区が壊滅
死者6434人
行方不明者3人
(06年5月19日時点)
死者・
行方不明者
死者1万9667人
行方不明者2566人
(18年9月1日時点)
全壊:10万4906棟
半壊:14万4274棟
一部損壊:39万506棟
住家被害 全壊:12万1783棟
半壊:28万965棟
一部損壊:74万5162棟
公共建物:1579棟
その他:4万917棟
非住家被害 公共建物:1万4527棟
その他:9万2012棟
25市町(2府県)
災害救助法の適用
241市町村(10都県)
※長野県北部を震源とする地震で適用された
4市町村(2県)を含む
〔図1〕東日本大震災の特徴は広域災害
阪神大震災と東日本大震災の被害状況の比較。東日本大震災では震度6弱以上を観測した範囲が広く、さらに津波被害の規模が大きい。住家の被害棟数は全壊、半壊合わせて1.6倍、死者・行方不明者数は3.5倍に上る(資料:内閣府、消防庁の資料を基に日経アーキテクチュアが作成)

 その3日後、東京電力福島第1原子力発電所で爆発事故が発生。放射性物質が大気中に放出された。国による避難指示は半径20km圏内に及び、首都圏でも計画停電が実施された。

 地震発生から9日後、阪神大震災の復興に携わってきた神戸大学の塩崎賢明名誉教授は、「東北関東大震災のよりよき復興にむけて」と題する文書を、知り得る限りの東北地方の都市計画や建築、防災関係者などに送った。

 東日本大震災の復興に関わるうえで、この文書を参考にした1人が、東北大学大学院の小野田泰明教授だ。塩崎名誉教授は「公営住宅のつくり方を間違えると大変なことになる。阪神大震災の復興地のいい例、悪い例を紹介した」と振り返る。

 小野田教授はこう語る。「被災地で問題になるのは、計画をどう実装するか。それを被災した東北大学の“プチ復興”で体感し、一緒に汗を流す覚悟で復興に協力してきた」

 小野田教授が復興に協力している被災地の1つが岩手県釜石市。多くの被災地の復興計画づくりで建設コンサルタント会社が中心的な役割を果たすなか、建築実務者の提案を積極的に復興計画づくりに取り込んだ数少ない自治体だ。

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