全1643文字
PR

上海融僑中心
赤レンガ街を再々生

 上海市で産業遺構を核に開発が進むエリアは黄浦江西岸だけではない。上海市内西側、地下鉄3線が通る虹橋路駅近くの製鉄工場跡で「上海融僑中心」の開発が進んでいる。1950年代につくられた外壁に赤レンガを用いた工場跡を2000年代に再開発し、「紅坊」というアートスポットとして運営されていた。新たな事業主が複合施設として開発を計画。高層棟は工事中で、22年内の完成を目指す〔図8、写真5〕。

〔図8〕産業遺構を核ににぎわい創出
〔図8〕産業遺構を核ににぎわい創出
上海融僑中心の配置計画図。右の細長い建物が外壁に赤レンガを用いた旧製鉄工場。東側に広場が整備され、商業施設とオフィスの複合ビルは、旧工場の西側に配置する(資料:三菱地所設計)
[画像のクリックで拡大表示]
〔写真5〕旧製鉄工場を生かした開発が進む
工事の現況(資料:三菱地所設計)
工事の現況(資料:三菱地所設計)
[画像のクリックで拡大表示]
完成イメージ。地下3階、地上18建ての高層棟は最高高さ約92m。商業施設とオフィスの複合施設だ(資料:三菱地所設計)
完成イメージ。地下3階、地上18建ての高層棟は最高高さ約92m。商業施設とオフィスの複合施設だ(資料:三菱地所設計)
[画像のクリックで拡大表示]

 設計は三菱地所設計と上海建築設計研究院が手掛けている。旧工場前面には大きな広場を設け、背後に商業施設とオフィスの入る高層棟を配置する。保存・再生する旧工場は、約180mの連続した空間を持つ。鉄を冷やす巨大な水槽やクレーンなどが当時のまま残る。前事業主が、一部に入れ子で居室を設置。飲食店やアーティストのアトリエ、子供向け絵画教室などが入居していた。今後、それらの居室を解体したうえで、旧工場建屋などの損傷状況を確認し、新たな使い方を検討していく。

 三菱地所設計諮詢上海の董事長・総経理を務める樋口幸紀氏は、「中国では、日本の丸の内のように、サイクルを繰り返し、永続性のある街をつくることへの関心が高まりつつある。日本での知見を落とし込んだ提案をしていきたい」と話す。

目次