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デジタル技術ではアジアに後れ?

Erwin Viray(エルウィン・ビライ)氏
建築評論家、シンガポール工科デザイン大学 建築・サスティナブルデザイン学部長
Erwin Viray(エルウィン・ビライ)氏 1961年生まれ。フィリピン大学建築学部卒業後、京都工芸繊維大学大学院修士課程、東京大学大学院博士課程修了。シンガポール国立大学デザイン環境学部准教授を務めた後、2011 年より京都工芸繊維大学工芸科学研究科建築造形学部門教授、15 年同大学特任教授。現在、同大学KYOTO Design Lab客員教授、シンガポール工科デザイン大学建築・サスティナブルデザイン学部長(写真:Singapore University of Technology and Design)

 東南アジアの建築関係者にとって、日本の建築や建築家は常に憧れの存在であり、建築をつくる、あるいは建築の考えを実践するときの手本だ。その一端としてシンガポールでは、伊東豊雄氏の「VivoCity」や槇文彦氏の「リパブリック・ポリテクニック」など、重要なプロジェクトの設計が日本の建築家に託されてきた。

 ただ、これは私見にすぎないが、日本は建築の技術には長く秀でてきたのに、昨今のデジタル技術や情報技術の進化に対しては後れを取っているようだ。例えば、大学の建築教育にデジタル技術の講座はまだ少なく、デジタル技術を実際に探究する設計事務所もほんの一握りしかない。しかし、国を越えたコラボレーションをいとわない若手建築家の先見性や探究心によって追いつくだろう。

 東京は現在、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて開発やインフラ整備が進む。一段落したら大阪万博に向けて、大阪を中心に開発やインフラ整備が活況を呈するだろう。

 ここで注目すべきは東南アジアからの投資だ。日本は政策をはじめ様々なことが外に対して閉鎖的なように見えるが、実は知らず知らずのうちに近隣のアジア諸国とのつながりを強めている。将来起こり得ることは、アジア諸国の日々の生活やそのアルゴリズムから見えてくる。

(エルウィン・ビライ氏の記事は、メールのやりとりで構成した)