PR

 愛知県岡崎市の岡崎城郭・総曲輪(そうくるわ)エリアの地域再生計画「乙川リバーフロント地区公民連携まちづくり基本計画(QURUWA戦略)」が注目を集めている。都市プランナーの泉英明氏(ハートビートプラン代表)らが市のアドバイザーを務める。この座組みを支援したのがNPO法人の「岡崎まち育てセンター・りた」だ。事務局長の天野裕氏は「住民と行政、専門家が垣根を越えて地域の資源を掘り起こし、使いこなすための触媒」と役割を説明する。

 大学でまちづくりを学んだ同市出身の天野氏と三矢勝司氏は「地元で実践したい」と、手弁当で公園の使い方提案の住民ワークショップを始めた。市の地域交流センターの運営をはじめ、行政と市民をつなぐ中間支援組織として2006年に「りた」を発足。「利他」の意味を込めた。

にぎわいつくる担い手を育成

(写真:りた)
(写真:りた)
[画像のクリックで拡大表示]

 代表的なプロジェクトが、08年に開館した「岡崎市図書館交流プラザLibra(りぶら)」だ。中心市街地の活性化などを課題に、構想や計画、運営の各段階で市民ワークショップを企画・コーディネート。その過程で、生涯学習や託児サービスなどを市民が担う「りぶらサポータークラブ」が誕生した。

 寺の境内にある木造アーケード街を再生した「松應寺横丁まちづくり」では、半数以上が空き家で高齢化率約4割のエリアに、人の流れをつくった。にぎわい市を開いたり、県の補助金158万円で空き家をカフェなどに改修した。年間の収益は400万円ほどだが、情報・交流拠点となった。

 QURUWA戦略では、リバーフロント活用の実験的活動「おとがワ!ンダーランド」に天野氏は力を注ぐ。河川敷や水上の公有地を市民が自主的に使いこなすための仕掛けづくりだ。マルシェ(市場)などのほか、「蛍や鮎が生息する川の日常的な価値を発信したい」と、月に1度の自主清掃も行う〔写真1〕。りたに所属していた山田高広氏が三河家守(やもり)社を設立し、空き店舗などの活性化を始めるなど、りたを起点に活動は広がりを見せる。

〔写真1〕市街地を流れる川を日常的に活用
〔写真1〕市街地を流れる川を日常的に活用
天野氏(右から3人目)が今、力を入れる活動が「おとがワ!ンダーランド」。写真のリバークリーンのほか、マルシェなど市民利用をマネジメント(写真:りた)
[画像のクリックで拡大表示]

あまの ゆたか:1976年愛知県岡崎市生まれ。東京工業大学社会工学部卒業。博士(工学)。専門は住民参加のまちづくりとメキシコの民衆運動史。岡崎市の公共施策や公共施設の計画、市民活動・地域支援活動、空き家と路地を活用した地域再生などに取り組む