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2020年に向けて建設ラッシュが続くなか、地方都市の設計者は着実に力を付けてきている。1980年代生まれが頭角を現し始めた福岡、独自の木造文化が浸透する高知の動きを追った。

 アジア、世界を見据える──福岡 
建築史家が約30年かけて地ならし
30代の若手が大学を核に成長

<b>いわもと まさあき(左):</b>1982年東京都生まれ。2005年東京大学工学部卒業、06~07年シュツットガルト大学研究員、08年東京大学大学院修了。08~11年界工作舎、11~15年ヴォ・チョン・ギア・アーキテクツ(ベトナム)、15~16年首都大学東京特任助教。15年ICADA共同主宰。16年九州大学芸術工学研究院助教  <b>ささき しょう(左から2人目):</b>1984年長崎県島原市生まれ。2007年九州大学芸術工学部卒業、10年九州大学大学院修了。09~14年SUEP.。15年INTERMEDIA取締役  <b>ささき けい(右から2人目):</b>1987年長崎県島原市生まれ。2010年九州大学芸術工学部卒業、13年東京芸術大学大学院終了。13~15年INTERMEDIA、15~18年藤本壮介建築設計事務所。19年KEI SASAKI architects設立  <b>ももえだ ゆう(右):</b>1983年長崎市生まれ。2006年九州大学芸術工学部卒業、09年横浜国立大学大学院/建築都市スクールY-GSA修了。10~14年隈研吾建築都市設計事務所。14年百枝優建築設計事務所設立 (写真:日経アーキテクチュア)
いわもと まさあき(左):1982年東京都生まれ。2005年東京大学工学部卒業、06~07年シュツットガルト大学研究員、08年東京大学大学院修了。08~11年界工作舎、11~15年ヴォ・チョン・ギア・アーキテクツ(ベトナム)、15~16年首都大学東京特任助教。15年ICADA共同主宰。16年九州大学芸術工学研究院助教  ささき しょう(左から2人目):1984年長崎県島原市生まれ。2007年九州大学芸術工学部卒業、10年九州大学大学院修了。09~14年SUEP.。15年INTERMEDIA取締役  ささき けい(右から2人目):1987年長崎県島原市生まれ。2010年九州大学芸術工学部卒業、13年東京芸術大学大学院終了。13~15年INTERMEDIA、15~18年藤本壮介建築設計事務所。19年KEI SASAKI architects設立  ももえだ ゆう(右):1983年長崎市生まれ。2006年九州大学芸術工学部卒業、09年横浜国立大学大学院/建築都市スクールY-GSA修了。10~14年隈研吾建築都市設計事務所。14年百枝優建築設計事務所設立 (写真:日経アーキテクチュア)
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土居義岳氏の教え子らが頭角

写真は、2019年5月28日、土居義岳氏の九州大学芸術工学部環境設計学科教授としての最終講義の前に撮影した。百枝優氏、佐々木翔氏と慧氏の兄弟は3人とも、同大学土居研究室の出身で、現在、非常勤講師を務める。岩元真明氏は、土居氏が中心となって立ち上げた九大大学院環境設計グローバル・ハブのメンバーの1人。4人は皆、1980年代生まれで、設計での活躍が目覚ましい。19年6月末で退職した土居氏が土台を築いた

 福岡を中心に1980年代生まれの若手設計者の活躍が目立ってきた。例えば、百枝(ももえだ)優氏(百枝優建築設計事務所主宰)、そして佐々木翔氏(INTERMEDIA(インターメディア)取締役)と慧氏(KEI SASAKI architects(アーキテクツ)主宰)の兄弟。いずれも九州大学芸術工学部の土居義岳研究室の出身で、現在、同学部で非常勤講師を務める。今年6月いっぱいで同大学を退職した土居氏(現・九大名誉教授)は、建築史が専門ながら、設計教育に力を入れ、多くの置き土産を残している。

 その1つが設計課題だ。一辺25cmほどの立方体をどう分割するかを考えさせる。「卵(らん)が細胞分裂を繰り返すことで生命体へと成長する。『始原の二分割』こそがあらゆる建築の原型」(土居氏)という考えに基づく。この後、具体的な課題を解かせ、前段の分割と結び付ける形で設計に意味付けをし、「言葉」で説明させる。