1980年代に米国で生まれた「キンプトン」が、2020年初頭に西新宿で開業する。国内でインターコンチネンタル系列のホテルを統括するハンス・ハイリガーズ氏が、ライフスタイル型ホテルの運営の極意を語る。

「ラグジュアリーライフスタイル」は、新しいものを求める人が訪れる東京、大阪などの都市に非常にミートするカテゴリーです。その1つであるキンプトンは1981年に米国で誕生し、2016年にIHGグループのブランドポートフォリオに加わっています。
「ブティックホテル」という位置付けもされるブランドで、デザインに重きを置いてきました。世界に68あるキンプトンホテルが、1つずつ異なる強いパーソナリティーを持っています。
「ラグジュアリー」というサービスを一律に考えず、個々のゲストにパーソナライズドされたサービスを提供するのも大きな特徴です。「こうでなければ」という息苦しさをなくし、ゲストの滞在の質を上げる。そのために、旧来とは違うカジュアルな、誰でも手の届くラグジュアリーを意識しています。
日々進展するライフスタイルに対応するにはコンテンポラリー(現代的)なものとする必要があり、今までにないサプライズも求められます。ただ、「その一瞬の現在」で終わってはいけない。いつ来てもスタイリッシュであり続けるように気を付けています。
個性を尊重しながら、周りの環境や地域のコミュニティーとの関係も忘れていません。「キンプトン ホテルズ & レストランツ」というブランド名の通り、レストランとバーを重視し、ゲストのみならず地域の方々から日常的に選ばれる場所をつくってきました。新宿でもオールデイダイニングやルーフトップバーを想定しています。
これからのホテル
フレキシビリティーの高さを
一口に「インバウンド」と言っても様々な国からの旅行者がいます。個々のゲストがホテルで快適に過ごせるようにするために、1番大切なのは、フレキシビリティーの度合いの高さです。チェックイン、チェックアウトの時刻に始まり、旧来の日本の旅館やホテルに多かったマニュアルに縛られたオペレーションでは快適な滞在にはなりません。
そのため、キンプトンではオペレーションの在り方も、個々のホテルに任されています。もちろんファシリティーも、そうしたフレキシブルなサービスを支えるものでなければならない。これらの充実こそ、ライフスタイルブランドのカギなのです。