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PM・CM業務がじわり拡大

 次期以降の見通しも明るいとの見方は多いが、浮かれてばかりもいられない。日本設計の岡本尚俊取締役は、「米中貿易摩擦などの影響で設備投資が冷え込めば、設計の仕事も減る。予断を許さない」と語る。

 人口が減少する中、長期的に見れば国内の建設市場が縮小していくのは間違いない。問題は事業の量だけではない。質も変化している。プロジェクトの大型化や複雑化などを背景に顧客のニーズが多様化しているのだ〔図4〕。

〔図4〕多様化する発注者ニーズに応える
〔図4〕多様化する発注者ニーズに応える
発注者が設計事務所に求める業務は多様化している。発注者のニーズに対応しつつ、新たな業務で報酬を得られるようになれば、設計市場が縮小しても成長を見込める(資料:日経アーキテクチュア)
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 三菱地所設計の清水明執行役員は、「設計事務所も従来の設計・監理業務から幅を広げ、発注者のニーズに合わせて変わっていかなければならない」と語る。

 国内の新築プロジェクトの設計・監理業務以外にも収益源を求める動きは加速している。

 中でも目立つのが、プロジェクト・マネジメント(PM)やコンストラクション・マネジメント(CM)といったプロジェクトの川上を目指す動きだ。PM・CM専業会社の山下PMCや明豊ファシリティーワークスが順調に業績を伸ばしているところを見ると、PM・CM業務の需要は年々高まっているようだ。

 日経アーキテクチュアの調査に回答した設計事務所のPM・CM業務の売上高も伸びている。回答した52社の合計額は43億円で、前期比で14%増加した。

 日建設計の今期のPM・CM業務売上高は7億6000万円だった。「外資系ホテル事業には、発注者の他に外資系ホテルオペレーターや海外デザイナーなど様々なプレーヤーが参画する。多様な関係者をまとめてプロジェクトを円滑に進めてほしいというニーズがある」(中谷執行役員)

 三菱地所設計は今期、PM・CM業務で8億3600万円を売り上げた。清水執行役員は、「コンストラクションマネジメント部が業務受注の最初の窓口となり、社内から技術者を選定して新たなチームをつくることで、顧客のニーズに対応する。専業会社として分社化するのではなく、設計事務所の中にCMを手掛ける部署があることを強みにする」と語る。