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大規模建築物の改修を強みに

 PM・CM業務と並んで、各社が注力分野と位置付けているのが、リニューアル市場。国土交通省によると、19年度の建築物リフォーム・リニューアル投資は前年度比0.8%増の7兆5800億円となる見通しだ。

 18年度決算で3億4000万円をリニューアル業務で売り上げた青木茂建築工房は、この分野の先駆者として知られる。同社の社員数は19人。同規模の設計事務所と比較すると、この売上高は断トツで多い。青木茂代表が提唱する「リファイニング建築」を武器に、市場を切り開いてきた。リファイニングとは、建物自体の耐震性や耐用年数を向上させて、用途変更などによって新築同様によみがえらせる建築再生手法だ。

 青木茂建築工房が受注を増やすためにとった戦略が、他社との提携。15年にミサワホーム、16年に三井不動産と手を組み、リファイニング建築の「販路」を開拓したのだ。青木代表は、「ミサワホームや三井不動産を通じた依頼が、事務所に多く舞い込み仕事が増えた」という。

 19年4月にはミサワホームがMAリファイニングシステムズ(東京都新宿区)と呼ぶ新会社を設立。青木代表が同社の取締役に就任した〔図5〕。「MAリファイニングシステムズを通じた依頼にも期待できる。我々のノウハウを提供する代わりに、受注の間口を広げられる」(青木代表)

〔図5〕ノウハウの提供で受注の間口を拡大
〔図5〕ノウハウの提供で受注の間口を拡大
ミサワホームが設立した新会社は、青木茂建築工房のノウハウを生かしてリファイニング建築に取り組む(資料:ミサワホームの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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 ミサワホーム側は新会社を通じて、大規模非住宅を中心にストック活用の提案をしていく考えだ。同社の作尾徹也取締役は言う。「これまでは戸建て住宅のリフォーム・リニューアルを中心に事業を展開していたが、戸建て住宅の市場規模は縮小していくだろう。リファイニングという技術を1つの武器として、他社と差別化した事業を展開していく」

 同社の17年~19年度の中期経営計画では、リファイニングへの取り組みを強化することで、19年度にリフォーム事業で16年度比15%増の700億円を売り上げる目標を掲げている。