PR

BIMのデータを解き放て

 最新テクノロジーを取り入れて、室空間の環境の向上を狙うのが三菱地所設計だ。18年度にR&D推進室を設置して、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用をテーマに開発を進めている。

 BIMの3次元モデルに関連付けたコストなどの情報を、設計から施工、維持管理まで一気通貫で共有・活用すれば、業務の効率化や品質の向上に役立つ。しかし、発注者やビル管理者にBIMは浸透しておらず、その本領を発揮できないのが現状だ。同社の清水明執行役員は、「設計者から施工者へのデータの引き継ぎも課題だ」と話す。

清水 明(しみず あきら)
清水 明(しみず あきら)
三菱地所設計執行役員 経営企画部長兼広報室長(写真:日経アーキテクチュア)

 現状の打開に向けて同社は、誰でも簡単にBIMから情報を書き出せる技術を19年1月に開発した。BIMとエクセルを連携させて、行列データに変換する仕組みだ。エクセルで行列データを変更してBIMに読み込ませると、変更点をBIMに反映できる。

 さらにアドバンスドナレッジ研究所(東京都新宿区)と共同で、行列データに書き出した情報を熱流体シミュレーション(CFD)ソフトに読み込ませて、MR(複合現実)上で可視化する技術も開発した。気流解析のシミュレーション結果を現実空間に映し出せる〔図2〕。

〔図2〕MR技術で解析結果を映し出す
〔図2〕MR技術で解析結果を映し出す
三菱地所設計は、エクセルを活用して、BIMの情報を受け渡しできるツールを開発した。BIMとCFD、MRを連携させることで、現実空間に気流解析結果を映し出せる(資料:三菱地所設計)
[画像のクリックで拡大表示]

 R&D推進室の安田健一室長は、「MR上で確認した設備の位置情報を、エクセルを通じて簡単にBIMに反映できる。自分の目で見た通りの空間に図面が変わるため、コンセンサスを得るツールとして有効だ」と自信を見せる。

 同社はBIMだけでなくAIやMR技術についても、積極的に他社との共同開発を進める。