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 NTTアーバンソリューションズ、久米設計 
プロジェクトを自ら生み出す

 老朽化した施設の改修や更新、遊休地の有効活用などで、都市をアップグレードし、人や企業を呼び込もうとする動きが盛んだ。街づくりにおいて設計事務所の技術やノウハウを提供できる場は多い。

 顧客からの依頼を待つだけではなく、地域に自ら飛び込んで新たな事業を生み出していく動きが出てきた。

街づくり専業会社を設立

 NTTグループは2018年に発表した25年までの中期経営戦略で、グループの人材や技術、資産を活用して地方都市の街づくりを積極的に手掛ける方針を打ち出している。

 19年7月には街づくり事業の窓口となる新会社、NTTアーバンソリューションズ(東京都千代田区)を設立。NTTファシリティーズとNTT都市開発を傘下に収め、本格的に事業を開始した。NTTアーバンソリューションズ経営企画部の関根万紀子次長は、「グループの資産やノウハウ、ICT関連商材を組み合わせて、地域課題の解決に貢献したい」と意気込む〔図3〕。

〔図3〕街づくり専業会社を設立
〔図3〕街づくり専業会社を設立
NTTグループの資産と技術を活用して、地域課題の解決に取り組む(資料:NTTアーバンソリューションズの資料を基に日経アーキテクチュアが作成)
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関根 万紀子(せきね まきこ)
関根 万紀子(せきね まきこ)
NTTアーバンソリューションズ 経営企画部 次長(写真:日経アーキテクチュア)

 同社は、街づくりプロジェクトの推進によって、25年度に営業収益規模6000億円(連結)を目指す。NTTファシリティーズとNTT都市開発の18年の営業収益の合計額は約4000億円。7年で1.5倍に伸ばす。

 NTTグループが「街づくり」を注力分野に選んだのは、同グループが全国に保有する7000の電話局と1500のオフィスの有効活用が狙いだ。これらは地方都市の中心に立地していて、建て替え用地とセットで立っているものが多く、うまく活用すれば大きな収益が見込める。

 「にぎわい創出や街並み再構成のためにNTTの施設が活用できれば」。こういった地域のニーズもあることから、電話局の建て替えやリノベーション、周辺の土地を含めた一体開発にも勝算があるとNTTグループは考えている。自治体や企業、教育機関などと連携し、地域活性化の起爆剤として役立ててもらう。

 NTTアーバンソリューションズは、全国各地のニーズの掘り起こしと、事業機会の創出を担う。自治体からじかに課題を聞き取る他、全国に拠点を持つグループ企業を通じて情報を収集する。

 仙台市青葉区で進む再開発事業は、同社が初弾と位置付けているプロジェクトだ。NTT東日本が所有する地下1階・地上6階建て、延べ面積2万4000m2の仙台中央ビルを建て替えてオフィスにする。

 同施設は23年に完成予定で、東北大学青葉山新キャンパスに建設予定の、物質構造を原子レベルで分析できる「次世代放射光施設」と連携させるのが特徴だ。

 仙台中央ビルは、放射光施設を使用する企業向けのオフィスや、学生などが利用するコワーキングスペースを備えた複合ビルとする。グループのICT商材を導入し、放射光施設の能力を最大限に利用できる研究環境を目指す。

 放射光施設を地域の産業振興に役立てたいと考える市側のニーズに応える。

 グループとして街づくりに注力していく中で、NTTファシリティーズはどのような役回りを果たすのか。関根次長は、「これまでの設計業務よりも、難易度の高いものにチャレンジしてもらうことになる」と語る。同社の設計・監理業務売上高に占める割合が多いのは、生産施設やオフィスで、グループ向けの業務が多い。今後はより多様なニーズに応えられるように、設計力や提案力を強化する必要がありそうだ。